従来のワキガ対策の盲点を明らかにした最も効果的ワキガ対策の方法
「ワキガの臭いにビクビクすることなく生活したい」
「ワキの臭いが気になり仕事中も友達と会う時も集中できない」
「様々なデオドラントグッズでワキガ対策を試みたが効果が無い」
と悩み続けている方があまりにも多いというのが、これまで10年以上に渡り、様々なワキガ対策の相談をお受けしてきた私の実感です。
残念なことですが、実は、ワキガ対策についてのネット情報は商品の販売目的が優先され正しいワキガ対策とは何か?どうすれば最も効果的にニオイを抑制できるのかという点について解説されているものが少ないのです。
ここでは、本当のワキガの原因と実態、またどうしてワキガで悩むのかを明確にしたうえで、従来のワキガ対策の盲点を明らかにし最も効果的なワキガ対策の方法 をご紹介しています。
またワキガ対策グッズの選び方も明確に解説して参ります。さらにワキガ対策に関する注意事項やQ&Aを通し様々なワキガ対策の疑問にお答えしています。
これらを最後までお読み頂ければ、あれほど不安だったワキガの悩みが解消されます。のでぜひお役立て下さい。
Contents
1.ワキガの原因
ワキガとはいったどのようなものか?数多くのサイトで解説がされていますが、実はワキガは非常に曖昧なものです。数値的に計測する事も出来ません。どの位のニオイがするとワキガという決まりもないのです。
まずはワキガとは何か?その曖昧さを認識すると共に、ワキガ臭の実態を確認しておきましょう!
1-1.ワキガ臭の原因
体から出た直後の汗はほぼ無臭です。この汗をエサに雑菌が繁殖する際、雑菌は老廃物としてニオイを発します。これが体臭やワキガ臭の主たる発生原因です。
また汗が出る穴を汗腺と言いますが、汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺という2種類があり、発生する汗の成分が異なります。アポクリン腺から出る汗を原料として発生するニオイ物質がワキガを特徴づけるニオイとなります。
1-2.ワキガ体質とチェック方法
アポクリン腺から汗がでない人からはワキガ臭は発生しません。このためアポクリン腺が発達している人がワキガ体質となります。
しかし、その臭いの強さなどは個人差が大きくワキガ体質だからと言って不快なニオイがすると断定できるものではありません。(詳細後述)また臭いを出さない安心できるワキガ対策の方法も後ほどご紹介しますのでご安心下さい。まずはご自身がワキガ体質かどうかを確認しておきましょう。
ご自身がワキガ体質かどうかを最も簡単にチェックする方法は、耳垢が湿っているかどうかで90%判断が可能です。耳の奥(外耳)にエクリン腺は存在することがなく、汗腺があるとすればアポクリン腺でありアポクリン腺の汗により耳垢が湿ることでワキガ体質チェックができるのです。
更に詳しくワキガ体質かどうかをチェックしたい場合は、別記事「自分で簡単ワキガチェックして悩みから解放する為の3つの事」に記載してありますので参考にしてみて下さい。
1-3.ワキガ臭の実態
ワキガ臭対策をするうえでも知っておかなければならないことのひとつが、ワキガ臭の実態です。前述したようにワキガ臭は、アポクリン腺の汗が主要因であることは間違いありませんが、ワキガ臭が単体で臭うことはないのです。
ワキの下には、アポクリン腺、エクリン腺、と皮脂を分泌する皮脂腺があります。ワキガ臭の実態は、これらの分泌物から発生するニオイの複合臭として存在しています。
このワキガ臭(複合臭)の理解が必要な理由は、ワキガ臭でなくても不衛生にしていれば当然、不快なニオイが発生しますし、ワキガ体質であっても正しいワキガ対策を施せばニオイは防げることを知って頂きたいからです。
また後ほどお話する他人にニオイが伝わる流れを知るうえでもワキガ臭は複合臭であることの理解が必要なのです。
2.ワキガは曖昧なものだからこそ悩みやすい
次にワキガ対策するうえで知っておくべき知識があります。それは、「ワキガはとても曖昧なものである」ということです。
ワキガ体質自体とても曖昧なもので、どの位アポクリン腺があるとワキガなのか?どんな種類の、どの位の強いニオイが発生するとワキガなのか?とても曖昧で数値的に計測することも出来ません。
医師による腋臭症の診断も遺伝性の確認などの問診と医師の嗅覚により診断されますが、その人のワキガ臭の強さや不快度は、数値化することは不可能なのです。極端ないい方をすれば、ワキガ体質の人でかつ本人が気にすればワキガ。気にならなければワキガではないと言っても過言ではないのです。
ワキガは曖昧だからこそ、不安になりやすいことを知っておきましょう。またワキガを数値で診断できるとしたら、ワキガで悩まれている方の悩みは消える可能性が高いのです。実際は臭っていないのに本人だけが気にしているケースもとても多いからです。
とはいえここはワキガ対策のお話ですから、次章はワキガ臭が発生していることを前提に、ワキガ臭が発生すると、どうして悩みになるのかを改めて確認してみましょう。以外な気付きになるかもしれません。
2.ワキガ臭で悩まされる理由を再確認しておく
ワキガ臭で悩まされている理由は何ですか?改めて自分に問い直してみましょう。
2-1.無人島で一人でもワキガ臭対策しますか?
自分のワキガ臭は我慢できないほど不快ですか?自分のワキガ臭は自分にとっては不快ではありませんね!もちろん不衛生な状態が続けば不快にもなるでしょうが、通常の生活で発生する自分のニオイは、そのニオイも含め自分自身ですから嫌いなはずはないのです。
もしも無人島でひとり暮らしをするとしたら、強いワキガ臭が発生していたとしてもワキガで悩んだりしないと思いませんか?ワキガの悩みはニオイそれ自体ではなく、他人がいてはじめて発生する悩みです。ではワキガだと何が不安なのでしょう?
2-2.他人にクサイと感じらるのが不安
無人島であれば悩みにならなないワキガですが、他人と接する環境では悩みになる。その理由は、自分がクサイと感じられる不安です。ここで大事な事は、ワキガ臭そのものが悩みなのではなく、ワキガ臭のために自分がクサイと感じられることが不安 だという点です。
ニオイすなわち嗅覚による信号は、危険を察知する役割もあり、脳の本能的な部分に直結している感覚のため、「クサイ」と言われただけで存在自体を否定されたように感じやすいのです。他人の体臭を注意しにくい理由もここにあります。
後ほど、もっとも効率的なワキガ臭のニオイ自体を防ぐ方法をご紹介しますが、まずは次でワキガの悩みの本質である、ワキガ臭が他人に伝わっていく、その流れを確認しておきましょう!
3.ワキガ臭発生から他人にニオイが伝わる流れを知る
ワキガ臭が発生するのはどこでしょう?ほとんどの方がワキの下と思われていると思います。しかし実は、多くの場合、ワキガ臭が発生し他人までニオイを拡散している犯人は衣類 なのです。
もちろんワキの下に鼻を近づければクサイかもしれません。しかし通常の生活では、一定の距離(少なくとも数10cmはある)がある他人までニオイを伝える主要因は衣類にあるということです。
端的ないい方をすれば、体がにおうのではなく衣類がにおっている ということです。もっとこの点を身近に感じて頂くために生活の中で誰もが経験している例をあげると、
・足も裸足でいるプールや海水浴場ではクサクならない→衣類(靴下)がないから
・夏場、腕や手にはたくさん汗が出るがクサクならない→半そでで衣類がないから
などをイメージしても衣類がニオイを拡散している犯人であることが理解できます。もう少し詳しくワキガ臭が拡散される流れを確認してみると、
・ワキの下から出る汗(アポクリン腺・エクリン腺・皮脂腺)は衣類に付着します。
・付着した汗を元に衣類の中でワキガ菌やニオイ菌が繁殖し、ニオイが発生します。
・発生したニオイは衣類に蓄積されていきます。
・一定量のニオイが衣類に蓄積され、汗などの水分が蒸発する際に、ニオイは空中を浮遊し他人にニオイが届くのです。
また衣類は繊維で出来ているため、表面積が大きくニオイ物質を大量に蓄積する性質があります。このような繊維の性質もワキガ臭が衣類に蓄積される大きな要因でもあるのです。
繰り返しになりますが、下着やシャツ、ブラウスなどの衣類がニオイの発生源であり、臭いのは衣類だ!この点を踏まえたうえで、次に従来のワキガ対策の盲点について確認して参りましょう。
4.従来のワキガ対策の盲点とは?
従来のワキガ対策の盲点は、実際にワキガ臭の発生源となっている肌着やシャツなどの衣類の対策に注目していない点 です。ワキガ対策グッズすなわりワキガクリームなどの販売サイトの影響などが大きいと思われますが、ワキガ対策というと地肌!すなわちワキの下ばかりに注目していませんか?
もちろんワキガ臭の原料となるのはワキの下から出るの汗ですので汗を抑制したり、ワキガ臭をつくり出しているワキガ菌の抗菌も大切です。しかし汗は完全に止めることは出来ませんし、ワキガ菌は常在菌というどこにでも発生する菌であるため殺菌しても殺菌しても繁殖を止められません。
まして高温多湿になりがちな衣類のワキ部こそワキガ臭の発生源となっているのです。ワキガのニオイを抑えたいのであれば、衣類のニオイ対策をしなければ、いくらワキの下へクリームなどの対策をしても焼け石に水ということになりかねないのです。
この点を踏まえ、最も効果的にワキガ臭を抑えるためのワキガ対策グッズ活用の優先順位を次で確認してみましょう!
5.最も効果的なワキガ対策グッズ活用法
5-1.最も効果的なワキガ対策グッズ活用の優先順位
ワキガの臭いを抑制するための対策は、当然ですがワキガ臭が発生、拡散される影響の強いものから対策するのが最も効果的です。すると以下のような優先順位となります。
1.衣類でのワキガ菌(ワキガ臭)繁殖抑制→衣類の抗菌スプレーの活用(着替えることも有効)
2.衣類での体臭抑制→衣類の消臭スプレーの活用(着替えることも有効)
3.ワキガ臭の原料対策→シンプルですがデオドラントシートで小まめに拭くことが最も有効
4.洗浄(汗とワキガ菌とワキガ臭のすべてをリセット)→正しく洗浄するための石鹸
5.汗とワキガ菌の抑制→デオドラントクリームなどの制汗・抗菌剤の活用
以外と思われるかもしれませんがデオドラントクリーム活用の優先順位は5です。実際は1~4の正しい対策でほぼワキガの臭いを抑制することが可能 なのです。逆に5のデオドラントクリームだけ実施しても他の対策がされていなければ、ワキガ臭の多くは発生してしまいます。
デオドラントクリームで汗を完全に止められない以上、汗は衣類に付着しますし、どんなに抗菌力があったとしても汗が衣類に付着すれば衣類の中でワキガ菌が繁殖、ワキガ臭の発生源となるからです。
5-2.デオドラントクリームの優先順位が低い理由
ワキガ対策をする場合、まずイメージする対策グッズはなんでしょう?多くの場合、デオドラントクリームではないでしょうか。しかしワキガ対策グッズ活用の優先順位では最後になっていましたね。ワキガクリームの優先順位が低い理由について確認しておきましょう。
5-2-1.衣類に汗が付着すればワキガ臭は発生してしまう!
まずは、ワキガクリームやジェルなど直接、肌に付けるタイプのデオドラント剤には決定的な盲点があります。それはワキガクリームではワキから分泌物は完全に抑えることはできません。このため衣類に汗は付着し衣類の中でワキガ菌が繁殖し同時にニオイも蓄積、拡散されてしまう 点です。
頭かくして尻隠さずの状態ですね。何よりニオイを出す主原因である衣類のワキガ臭対策をしなければワキの下にクリームを塗ってもワキガ臭は防ぎきれないのです。
5-2-2.デオドラントクリームでは制汗と抗菌に限界がある
デオドラントクリームの役割は制汗と抗菌です。制汗といっても完全に汗を止めることは出来ませんし、もし止められたとしたら当然、健康上も決してよくありません。汗は必要だから出ているのです。また抗菌も強すぎる殺菌は、常在菌のバランスを崩したり皮膚を痛めかねません。
デオドラント剤のWEBサイトでよく見かける抗菌テストは、試験環境の中での結果です。実際に生きている私達のワキの下の常在菌を長時間抗菌剤で抑制することは不可能なのです。
5-2-3.デオドラントクリームは汗で流れてしまう
デオドラントクリームの優先順位が低い理由をもっとシンプルにみて見ると、単にクリームは汗で流れてしまうからということも言えます。このため、デオドラントクリームは短時間のスポット用として使用するのがベストです。
結婚式の間だけ、どうにか汗を抑えたい。といった場合です。そのような使用方法であればワキガクリームも有効です。但し使用後は、よく拭きあげ帰宅後しっかり洗浄することを忘れずに。
以上が最も効果的なワキガ対策グッズ活用の優先順位ですが、これらのワキガ対策グッズの選び方や役割も間違った情報が氾濫しているため注意が必要です。そこで次の章ではこれらワキガ対策グッズの正しい役割と選び方について詳しくご説明させて頂きます。
6.ワキガ対策グッズの役割と選び方
ここではデオドラント関連メーカーとして知り得た専門知識や製品製造の裏話などを含めデオドラントグッズの役割と選び方をご紹介して参ります。前章のワキガ対策グッズ活用の優先順位とあわせて最強のワキガ対策のためにお役立て下さい。
6-1.衣類用抗菌剤の役割と選び方
ワキガのニオイが他人に伝わるのは、体のワキガ臭より、衣類に蓄積されたワキガ臭が臭っているということは既にお話した通りです。このワキガ臭を衣類でにおわないように防ぐのが衣類用抗菌剤の役割です。
そのためには衣類の中でワキガ菌の繁殖を防ぐ必要があります。衣類内のワキガ菌の繁殖さえ抑制できれば、実感としてワキガ臭が減った、あるいは、しなくなたという実感が得られます。それはあたかも臭くなったシャツから新しいシャツに着替えたのと同じだからです。
但し、難しいのはワキガ菌などの常在菌は、どこにでも、無尽蔵に存在するため単に殺菌力が強い抗菌剤では抑制できないのです。殺菌しても殺菌しても、いくらでもワキガ菌は存在するからです。これを防ぐためには「菌の忌避反応を利用した抗菌剤」が有効です。
忌避反応とは菌自体が持つ特性で、菌が仲間の菌に「ここは危険だから来ちゃダメ」という信号を出す性質です。菌の細胞壁や核に傷を付けることでこのような忌避信号を出させます。この抗菌方法のメリットは、強い殺菌剤を使用することなく、しかも長時間、衣類の中でワキガ菌の繁殖を抑制する事です。
菌の忌避反応を利用した抗菌剤については別記事「ヌーラビオの新ワキガ臭対策が拡散中!試さずにはいられない効果あり」で詳しくご紹介しておりますので参考にしてみて下さい。
6-2.衣類用消臭剤の役割と選び方
他人に体臭が伝わるメカニズムは、ワキガも体臭も同じ。すなわち臭いが発生・蓄積・拡散しているのは衣類です。またワキガ臭は必ず複合臭として存在していますので体臭が強くなれば当然、ワキガ臭も強くなる傾向になります。
このため衣類の消臭剤は、様々な種類の体臭が消える消臭剤を選ぶことが大切です 。体臭といっても、その種類はたくさん存在します。酸性のものアルカリ性のもの、また皮脂が参加した加齢臭など様々です。これらの種類の異なる複合臭としての体臭をまんべんなく消臭することが「臭わない実感」のためには必要なのです。
詳しくは別記事「衣類消臭スプレー徹底解明!自分に最も適したスプレー選びのポイント」にてご説明していますので参考にしてみて下さい。
ただし、ワキガ臭には香料成分が含まれているため、一旦発生すると完全に消臭することは出きないことを知っておきましょう!そのためワキガ臭の対策はワキガ臭を発生させないことが最大のポイントとなります。それが前述した衣類の抗菌剤を用いた方法 です。
6-3.デオドラントシートの役割と選び方
ワキの下の汗や汚れを拭くことは、とてもシンプルですがワキガの臭い対策には思った以上に有効な対策です。ワキガ臭の原料である汗や皮脂を拭き取り減少させるためです。また衣類への汗の付着の抑制にもなります。
問題は人前でワキの下を拭くことは出来ないので、2時間に1回でもトイレなどでワキの下の汗を拭くだけでも効果的です。またデオドラントシートが無い場合は濡れタオルでも効果的です。ただデオドラントシートであれば、皮脂などの脂分もサッパリ拭き取れますのでオススメです。
筆者のオススメは、GATSBYのFACIAL PAPAREです。顔用ですが低刺激でサッパリするところが気に入っています。デオドラントシートは安価で様々なものが販売されていますので香りや刺激性などご自身の好みで選べ良くでしょう!大切なことは汗を拭くということです。
6-4.デオドラント石鹸の役割と選び方
デオドラント石鹸の役割は、体に付着した一日の汚れ(汗と菌とニオイ)を落とすことに尽きます。これはワキガの臭い対策にとって、とても大切なものです。ただし石鹸は汚れを落としリセットすることが目的で臭いを抑制できるものではありませんのでご注意下さい 。
石鹸に含まれる殺菌成分や消臭成分は長時間効果を発揮することはないのです。その理由は殺菌してもワキガ菌などの常在菌は無尽蔵に存在しますし、何よりも洗い流した瞬間、ほぼ殺菌や抗菌成分は洗い流されてしまうからです。
繰り返しになりますが石鹸の役割は洗浄です。このためお肌に優しい石鹸であることが何より重要な選定のポイントで大手の石鹸メーカーが販売する花王石鹸などで充分です。ワキガ対策という観点からみれば石鹸の種類より洗い方こそが重要なのです。
6-5.ワキガ対策クリームの役割と選び方
6-5-1.ワキガ対策クリームの役割
ワキガ対策クリームの役割は大きく2つです。ひとつはワキガ臭の原料となる汗を抑制する制汗。もうひとつはワキガ臭を作り出すワキガ菌の繁殖を抑制するための抗菌です。
一見どちらもワキガ対策に有効のような気がしますが冷静に考えると、汗は完全に止めることは出来ませんし、ワキガ菌のような常在菌は無尽蔵に存在しますので殺菌しても追いつきません。さらに汗でクリームは流れてしまいがちですし、衣類に汗が付着すれば衣類でワキガ臭が発生します。
前述しましたが、ワキガクリームは効果が無いか?というと、そうではなく短時間、スポット用としては有効です。例えば結婚式の間とか数時間、どうしても汗とニオイを抑えたいといったケースです。皮膚の健康の為にもワキガクリームは常用せず、使用後は洗うか拭きあげることが大切です。
6-5-2.ワキガ対策クリームの選び方
まず声を大にしてお伝えしたいことがあります。それはワキガクリームの価格です。ここ数年注目を浴びているワキガクリームの主要成分と価格を調べた結果が以下の表です。
製品名→ | リフレア | A社クリーム | B社クリーム | C社クリーム |
医薬部外品 | ○ | ○ | ○ | ○ |
殺菌成分 | イソプロピルメチルフェノール | |||
制汗成分 | パラフェノールスルホン酸亜鉛 | |||
単価 | 30g 780円 | 30g 通常9,800 | 30g 通常5,980 | 24g 8,560円 |
g単価 | 26円 | 326円 | 199円 | 356円 |
どのワキガクリームも効果が高いとされている主要殺菌成分と制汗成分が同一なのに価格には大きな違いがあるのです。その差は何でしょうか?各商品の説明サイトをみると、配合されている天然成分が異なっています。
では天然成分とは何でしょう?上記表ではロート製薬のリフレア以外は、柿渋エキスや多数の直物エキス配合をうたっています。ではロート成約はなぜ?植物エキス配合をしないのでしょう?ここに天然植物エキスの大きなマジックがある のです。
実は実際、エキスは配合されているのですが効果が期待できるほどの量が配合されていないものがほとんど なのです。その裏づけとして天然エキスが何%配合されているか記載されているワキガクリームが見当たりません。
今後、天然エキスの配合量と効果の根拠が明確に掲載されるものが発売されるかもしれませんが2017年8月の時点で言えることは、天然エキスを前面に表示しているにもかかわらず配合%が表示されていない以上、ワキガクリームのエキスの効果は疑わしいと考えるのが自然なのです。
結論として当サイトが推奨するワキガクリームは、当然、価格的にもロート製薬のリフレアということになります。
7.ワキガ対策で注意したい3つのやり過ぎ
ワキガ対策で注意しなければならないことは3つのやり過ぎです。対策の度合いもバランスが大事になります。
7-1.クリームの塗りすぎ
ワキガクリームの役割は制汗と殺菌でしたね!しかし汗は体温調整など必要だから出るものです。この汗を強制的に制汗しすぎるのは、体によいものではありません。また抗菌剤の使い過ぎは必要な菌まで殺菌しかねないのです。
私達の皮膚表面は常在菌という字のごとく常に存在する菌にバリアのようにおおわれ、悪い感染力のある菌から守ってくれているのです。ワキガ菌も常在菌の一種です。
この常在菌が繁殖することで体臭やワキガ臭が発生するのですが、抗菌剤を使い過ぎれば悪い菌が繁殖しかえってニオイを強くしたり、皮膚の状態を悪くしてしまうことにもなりかねません。そういう意味でもワキガクリームは常用を避け、ピンポイントで使用する のが好ましいのです。
また5章でお話した通り他人にニオイが伝わるのを防ぐという観点から見てもワキガクリームの優先順位は低いのです。
7-2.洗い過ぎ
ワキガの臭いを落としたい!とワキの下を洗い過ぎるのは、ワキガの臭い対策にとって実は逆効果 なののです。
私達の皮膚表面にはバリアのように常在菌で覆われ悪い感染力のある菌から守ってくれていることは既にお話した通りですが、皮膚を洗い過ぎることで、この常在菌バランスを崩してしまうとクリームの使い過ぎと同様、悪い菌が繁殖しかねません。
すると通常では発生しない菌が繁殖することにより臭いが強くなってしまう可能性もあります。また皮脂の酸化臭も体臭やワキガ臭の原因ですが、洗い過ぎることで返って皮脂の分泌を促し臭いを強くする原因になりかねません。
ワキの下を洗うことは、汗と菌と臭いをリセットする意味で大切なものですが、洗い過ぎないことが重要 なのです。具体的にはシャワーか湯船でしっかり皮膚表面の汚れを浮かし、石鹸は大手の花王石鹸などで充分ですので、できるだけ細かい泡にして素手で洗い、その後よくすすくことが大切です。
7-3.気にし過ぎ
ワキガの臭いを気にし過ぎると実際よりも、はるかに自分の臭いを強く感じてしまう 傾向があります。これは嗅覚に限らず、全ての感覚器官に言える共通の脳の仕組みでもあるのですが、意識を集中するほど、その感覚は研ぎ澄まされて敏感に感じるのです。
例えば、数ミクロン(1/1000ミリ)の凸凹を感じ取ることが出来る研磨職人や、普通の人では理解できない微妙な香りでワインを見極めるソムリエなど意識を集中した感覚は、敏感になるものです。
これは意識の問題でもあります。意識を集中し過ぎることで敏感になりますので、意識を他の事に向ける以外にありません。しかし不安だと、どうしても意識がワキに向かってしまいます。この意識を外すには、「他人にまではニオイは伝わらない」という安心感が必要ですね!
この安心感は、6-1.と6-2.でご紹介した衣類のニオイ対策で得る事が出来ますので、ぜひ実行してみて下さい。
8.それでも気になる人に知って欲しい事実
ワキガで悩まれている方で、ご家族からは「気にする程、臭っていないよ」と言われても、どうしても気になってしまう方へお伝えしたい事が3点ございます。少しでも気が楽になれば幸いです。
8-1.体臭もワキガ臭も大切な個性である
ワキガ臭を含む体臭は全ての人に存在し、ひとり一人になくてはならない個性 でもあります。もちろん不衛生による体臭は論外ですが、常識的に清潔な暮らしをする中で存在する体臭は、ひとりひとりに与えられた個性です。
そんな大切な個性だからこそ「クサイ」と言われると言葉では説明できない「否定」を感じるのかもしれません。
もし、全く無臭の人がいたとしたら何か人間味がないような感じがしませんか?本能的に愛しくなる赤ちゃんのニオイ。安心するお母さんのニオイ。頼りになるお父さんのニオイ。愛する恋人のニオイ。
あなたにはあなただけのニオイがあるのです。もちろん顔に好みがあるようにニオイにも好みや相性が存在するのは事実です。ワキガ臭も個性です!エチケットとしての体臭ケアは大切ですが、自分のニオイは自分で好きになってもいいのではないでしょうか。
8-2.感受性の高い人ほど気にしやすい
ワキガ臭や汗の臭いなど体臭に悩まれている方からお電話で相談を頂く中で感じることは、とてもデリケートで感受性の高い方が多いように感じます。
お風呂にもろくに入らず体臭をプンプンさせているのに全く気にしない人がいるかと思えば、全く不快なニオイなどしていないのに悩み苦しんでいる方がいるのも事実です。これは筆者の主観かもしれませんが、感受性の高い人。すなわち回りに気を使ってしまう性格で優しい人ほどワキガ臭に悩まれているような気がします。
感受性が豊かな方ほど、ワキガが気になるあまりバランスを崩しやすいのかもしれません。前述した通り気にしすぎればニオイは必要以上に強く感じてしまうものです。6章でご紹介した正しいワキガ対策こそベストな対策です。ベストな対策をしたのだから大丈夫!と割り切ることも大切かもしれません。
8-3.気にしているのは自分だけということが多い
当サイトの監修医である五味クリニックの五味常明先生によると、「ワキガ手術の相談に来る患者さんの70%は、ほとんどニオイがしないか手術の必要がない方」 だそうです。手術を考える程、ワキガに悩んでいる方でさえ70%が、臭っていないというのが実態です。
私自身もこれまで生きてきて、本当に強く不快と感じるワキガの人に出会ったことは一人位しかありません。日本人のワキガ体質の割合は10~15%程度と言われていますが、もし、ワキガがこの確率で不快だとするなら、必ず毎日電車でワキガの人に出会うはずです。
しかし実際は、毎日何百人という人とすれ違っても、強烈に不快なワキガ臭の人と出会うことはありません。
以上から言えることは、ワキガの悩みの多くは(筆者は、ほとんどだと思いますが)「ワキガ臭を気にしているのは自分だけ 」ということが多い のです。
9.ワキガ対策のQ&A
ワキガは曖昧なもの。かつニオイという不可思議なものが相手であるため、悩みはどこまでも深くなってしまいがちです。ここではワキガの様々な悩み相談のQ&Aをご紹介します。
9-1.食生活はワキガ臭に影響しますか?
食生活はワキガ臭というより主に体臭に影響があります。健康的な食生活をすれば健康体になりやすく、健康な人の方が不健康な人より不快な体臭が発生しにくいということです。
具体例をあげればジャンクフードや脂分を多く摂取する食生活であれば、皮脂の分泌も多くなり結果として加齢臭など皮脂の酸化臭が強くなる傾向に向かうなどです。
1-3.ワキガ臭の実態でも、お話しましたがワキガ臭は他の体臭との複合臭として存在していますのでワキガ以外の体臭が強くなれば、ワキガ臭も不快に向かっていくのは事実です。
そういう意味では食生活だけでなく運動、睡眠、ストレスなどを含め健康に留意することが大切ですが、食生活がダイレクトにワキガ臭に影響するものではありませんのでご安心下さい。
9-2.ミョウバンはワキガ対策に有効ですか?
ミョウバンには抗菌力がありますので、汗臭やワキガ臭対策に有効です。ただし、どこまで臭いを抑制できるかは個人差が大きいのが事実です。
ミョウバンの抗菌力はそれほど強いものではなく、また汗が出れば流れ落ちてしまいますので長時間、しかも強い体臭を抑制することは難しい と思いますが、ミョウバンは安価(スーパーで100円程度)で安全性も高いので、一度試してみる価値はあると思います。
ミョウバンスプレーの作り方は別記事「ミョウバン水はお金をかけずにワキガ臭対策したい人にオススメ」に詳しくご紹介しておりますので参考にしてみてください。
9-3.ワキガ手術をすべきか悩んでいます
「ワキガで悩み苦しみ、手術の相談に来る方の70%は臭っていないか、ワキガ手術の必要がない」という五味先生のお話を8-3でもご紹介しましたが、ワキガの悩みは精神的な影響がとても大きいのです。
ワキガ手術にはコストもリスクもあります。また手術したからといって100%満足できるとは限りません。本当に気になっているニオイがワキガ臭でく別の体臭であるケースも考えられます。その場合、アポクリン腺を削除しても改善されることはありません。
また、実際に近寄り難いほど不快なワキガ臭の人に出会ったことが何人いますか?それほどワキガ手術が必要な方は稀だということです。以上の理由から筆者としてはワキガ手術は基本的にオススメしておりません。
しかし、それでも本当に手術が必要だと判断される方については別記事「ワキガ手術の基準!絶対失敗しないための判断方法とクリニック選定法」で医師の選び方や注意しなければならないことを詳しく説明しておりますので参考にしてみてください。
9-4.衣類のワキ部が黄ばんで困っています
ワキガ体質の方が、衣類のワキの下の部分が黄ばみやすい理由は2つあります。ひとつはアポクリン腺からの分泌物に色素が含まれている場合 。もうひとつはデオドラントクリームが原因 の場合です。
先日、クリーニング店専門の洗剤メーカーの方とお話する機会があり衣類のワキ部の黄ばみの原因についてお聞きしたところ、多くの場合、黄ばみの原因はデオドラント剤であるとのことでした。
また個々人の汗の成分とデオドラント剤の相性により黄ばんだり黄ばまなかったりすることがあるようです。その場合はデオドラント剤を変えてみるか、やめてみて黄ばむかどうかで判断してみて下さい。
衣類についた黄ばみは、なかなか頑固ですが、詳しい黄ばみの落とし方は別記事「脇汗でできる衣類の黄ばみを自宅で簡単に落とす方法」にてご紹介していますので参考にしてみて下さい。
9-5.脇毛の処理は臭い抑制効果がありますか?
脇毛は衣類と同様にニオイを拡散する機能があります。脇毛は細く表面積が非常に大きいため、多くのニオイ物質を吸着する性質があり、この毛に蓄積されたニオイ物質が、汗が気化する際や飽和状態になると空中を浮遊しニオイを拡散するのです。
このため脇毛は剃った方がニオイは抑制されます。また脱毛した方がより抑制効果が期待できます。脱毛によるワキガ臭抑制効果については別記事「ワキガと脱毛の関係!絶対に知っておきたい臭い強くなる原因と対策」で詳しく説明していますので参考にしてみて下さい。
9-6.子供がワキガで心配です。
お子さん本人は、まだ悩んでいないのにご両親が心配しているのであれば、まずは見守ってあげるのが良いと思います。ワキガは本人が悩んでいなければ問題にさえならないケースが多いといっても過言ではないからです。
将来、ワキガ臭で悩みご両親に相談されてきたら、その時、はじめて相談にのってあげるのがベストでしょう。本人が悩んでいないのに不安をあおるような指摘はお子さんの心の深い傷になりかねませんので注意が必要です。
詳しくは、別記事「子供のワキガを心配する親が絶対に知っておくべき5つの事」に詳しくご紹介しておりますので参考になれば幸いです。
9-7.スソワキガやチチガが心配です。
スソガもチチガも日常生活で他人に臭うことはまずありませんので、まずその点はご安心下さい。また洗浄後、菌が繁殖するまでの時間はほぼ無臭になります。温度、湿度など環境条件にもよりますが洗浄後は30分~60分程度は臭いは強くならないことが多いのです。それは臭いを作り出す菌が一定量、繁殖するまでの時間です。
スソガもチチガが、気になってしかたない方は、スソガは別記事「誰にも相談できないスソガの悩みを解消するために知っておくべき5つの事」チチガについても別記事「チチガは心配するような事ではない!知って不安を消す5つの事」に詳しくご説明していますので参考にしてみて下さい。
10.残念なワキガ対策グッズマーケットの実態
ワキガで悩まれている方が対策グッズを探す方法は、ほとんどの場合、ネット検索ですね。しかし検索結果、得られる情報は正しいのでしょうか?ここでは、どのようなワキガ対策グッズが、どのような仕組みで露出されているのか?
ワキガ、体臭系の製造メーカーとして13年携わってきたからこそ公開できる業界の裏事情的なお話ですが、ワキガ対策をどうにかしたいと切に願う方々の参考になればとの思いから公開させて頂きます。
10-1.利益優先のランキングサイトに注意
これはすべてではありませんが、多くの場合の傾向性としてお聞き下さい。何か効果的なワキガ対策グッズを探す場合、ネットで「ワキガ対策」などのキーワード検索されると思いますが、その検索結果上位表示されているサイトをよく観察してみて下さい。
そのサイトの多くが「アフィリエイト」と呼ばれる紹介システムを導入したサイトばかりです。こういったサイトはランキングやバナーで様々な商品を紹介し、売上の何%かの報酬を得る仕組みです。
広告自体を否定するつもりはありませんが、問題は効果やランキングの根拠です。あたかも商品を試したかのようなストーリーで紹介されていますが、実は商品自体の効果よりも報酬が高いものがランキングで1位となっているケースがとても多い のです。
特にワキガクリーム商品はその傾向が強く、実際に高額な報酬によりランキング1位に掲載しているケースも少なくない のです。このようなステマ広告の対応策は簡単です。返金保証の利用すれが良いのです。満足できなければ返金しますと公開しているものは、効果に満足できない場合、堂々と返品することが大切です。
10-2.ワキガで悩む消費者をバカにしている配合エキスの真実
10-2-1.わずか1%以下の配合量しかないエキスの実態
ワキガクリームや石鹸、シャンプーなどのデオドラント製品には様々なエキスが配合されています。実はこのエキス、残念なことに、あくまでイメージの場合が多い のです。
様々なエキスに消臭や抗菌、あるいは収れんといって毛穴を引き締めるような効果や他の効能があるのは事実です。しかし多くのデオドラント剤に配合されているエキスの配合%は1%以下のものがほとんどなのです。その裏づけとしてエキスの配合%が記載されているものが皆無です。
高級な化粧品などは、有効エキスの配合%がしっかり公開されているものもあるようですが、ことデオドラントグッズに関しては、配合率を記載しているものを見た事がありません。
10-2-2.イメージ戦略として追加されるエキス
多くのデオドラントグッズの販売会社は、自社で研究所がなく別の化粧品メーカーとの提携でクリームなどを製造します。地肌につけるクリームやシャンプー、石鹸などは法的に化粧品か医薬部外品の認可が必要となります。
しかし前述したように研究所を持たない会社が化粧品や医薬部外品の認可を取得するのは、ともて困難なため、既に化粧品会社が開発し認可を取得したクリームに香料やエキスを加え自社製品として製造するのが通常です。(OEM生産)
ここで問題となるのは、非常に濃度の薄いエキス(1%以下)を数十~数百のリストから自由に入れられるようになっている点です。エキス効果はないことは化粧品会社も発注会社も存知のうえでマーケティング戦略として売上増の為にエキスが配合されているのです。(例:消臭に効果があると言われている柿渋エキス配合)
極端な例かもしれませんが、例えば0.2%の濃度のエキスを、製品の0.2%配合した場合、その製品のエキス含有%は0.04%になってしまいます。このためそのエキス自体が持つ効果が得られないことがほとんどなのです。
このため配合%は表示することなく、あたかも消臭効果や抗菌その他の効果が得られるかのようなイメージのため配合されているのが実態です。
11.まとめ
いかがでしたでしょうか?ワキガで悩まれている方々のその思いは切実です。だからこそ業界の裏話も含め、事実を公開してみました。
本当のことをお話することがワキガで悩まれている方にとって有益なのか悩みましたが、やはり大事なのは、事実を知って本当に効果的なワキガ対策を実行できるようになって頂くこと。そしてその結果ワキガの悩みから解放され充実した一日を過ごして頂くことだと思います。
ワキガを不快に感じる人は、実際は、少ないと思います。自分のワキガは気になっても、他人のワキガ臭が気になった経験は極端に少なくありませんか?であればワキガ体質であってもご紹介した優先順位のワキガ対策で十分ニオイを出さずに済むのです。
汗をかいてもニオイは出さない!そんな対策でワキガの悩みが少しでも軽減されれば幸いです。