臭い革靴を無臭にすることができる驚きのお手入れ方法
毎日、革靴を履いて通勤・通学をしていると、どうしても足が蒸れてしまい、足が臭くなり、周りからも臭いと思われているのでは、と気にもなることありますよね。革靴が臭くてたまらないけれど、臭いを取るにはどうしたら取れるのか?革靴が臭くなっても洗えないと思っていませんか?
ところが、水洗いなら革靴でも洗えるのです。水洗いすることより、汚れを浮き上がらせて嫌な臭いや汚れも取り除くことができます。
ここでは、革靴が臭くなる原因と臭くなった革靴の正しいお手入れ方法、臭くならない為の臭い対策についてご紹介します。正しく実践して臭わない革靴で快適な毎日をお過ごしください。
Contents
1. 革靴が臭くなるのは臭い物質が蓄積されるから
まずは、足が臭くなる原因についてお話します。足の裏は体の中でも角質が厚い場所で、もっとも汗をかきやすいところです。足の裏は1日にコップ1杯程度の汗をかくといわれています。
普段、足は革靴や靴下で覆われて生活をしているので、足が革靴や靴下に覆われることにより密閉に近い状態となります。この密閉された通気性の悪い環境から革靴の中は温度が上がり、さらに汗をかいて湿度も上昇していきます。
温度と湿度が上昇することにより足の汗は蒸発しにくいため、足が蒸れた状態となり角質が剥がれやすくなります。この剥がれた角質と汗を栄養として雑菌が繁殖し、足の臭い物質が発生するのです。そして、この臭い物質が靴下から革靴へ染み込み、革靴が臭くなっていくのです。
2.革靴が臭くなってしまったときの対策
お手入れをせずに放っておくと汚れや臭いもたまり、革靴自体の傷みも早くなります。定期的なケアが大切ですが、すでに臭いがついてしまった革靴は洗うしかありません。
革靴を洗うの?と、驚かれるかもしれませんが、洗うことが可能なことがわかりましたのでご紹介します。自宅でできる方法と、自分で洗うのが不安な方は専門店へ依頼する方法について、それぞれご紹介します。ぜひ臭くなった革靴を臭わない革靴へ蘇らせてください。
2-1.革靴を水拭きする(自宅で可能な方法)
革靴は「水」で洗う。水は革製品にとって大敵だと思われるかもしれません。では、なぜ水洗いがよいのか?それは、革の中には汗などが染み込んでいて、水を含ませることにより汗の塩分などが表面に浮いてきます。
雨に濡れると靴の表面が白く粉を吹いたようになるのは、雨で汚れたのではなく、革が水分を含んで塩が表面に浮き出してきたためです。
汚れや汗を靴から浮き出してくれる水でお手入れすれば、嫌な臭いや汚れも取り除くことができるのです。月に1回程度行うとよいでしょう。
■「水が決めて」の革靴のお手入れ方法
【用意するもの】
水、新聞紙、ティッシュペーパー、タオル、割り箸(あればシューキーパー)、歯ブラシ(クリーム塗る用、あれば竹ブラシ)、靴磨き用ブラシ(ほこり取り)、靴用クリーナー(水でも落ちない汚れがある場合に使用、無くてもよい)、靴クリーム、綿の布(着なくなったTシャツなど)、防水スプレー
【お手入れ前の靴】
1.全体を軽くブラッシングして、表面についた汚れを払う。
2.雑巾を水に浸して、おしぼりよりも緩く絞る。少し水気が多いくらいがよい。
3.靴の表面をまんべんなく水ぶきする。拭き残しがあるとシミになるので注意すること。ブラッシングで落ちない汚れも水ぶきすることできれいに落ちる。
※水ぶきで落ちなかった汚れは、靴用クリーナーを使うことでさらに汚れを落とすことができます。乾いた布に靴クルーナーを取り、靴表面をまんべんなく拭いてください。靴用クルーナーがない場合は、水ぶきだけでもよいです。
4.靴の中にも汚れが溜まっているので、きれいな布で水ぶきする。かかと部分は汚れが多く付いているので入念に拭く。つま先の先端は、割り箸を布で包んで入れて拭き、汚れを取る。
5.新聞紙を丸めてティッシュで包み、つま先のに入れて形がくずれないようにする。割り箸を差し込み「即席シューキーパー」にするとよい。陰干しで自然乾燥させて、完全に乾かす。
即席シューキーパー
※ドライヤーなどの熱をあてて急に乾かすと、革が硬くなり皮をいためることになるので、必ず陰干しで乾かす。
4.乾いたら中に入れた即席シューキーパーを出す。歯ブラシ(あれば竹ブラシ)に靴用区ルームを小指の先程度の量を塗る。ブラシで全体にまんべんなくクリームを広げる。
6.綿の布(使い古しのTシャツなどでもOK)で、塗ったクリームを拭き取るように強くこする。
7.最後の仕上げに防水スプレーを吹きかけ、十分に乾燥させる。防水スプレーをかけることで汚れもつきにくくなる。屋外か換気のよいところで使用する。
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8.出来上がり。以下、拡大写真(写真右:お手入れ後、写真左:お手入れ前)
※スエードの場合は、1~3まで手順は同じ。乾いたらスエード専用のブラシで起毛し、スエード用の保護スプレーをかける。
2-2.革靴をクリーニングに出す(専門店へ依頼)
やはり自分で水洗いを行うのは不安な方もいるかと思います。革靴のクリーニングを行っているところは多数ありますが、中でも代表して革靴に詳しい専門店を3社ピックアップしてみました。汚れの状態などを考えて直接店舗へご相談してからクリーニングに出すことをおすすめします。
○靴専門店の「靴専科」
靴専科オリジナル洗剤を使用して革に栄養を与えながら洗浄を行う。コースは3種類。エコノミーコースは、クリーム仕上げを行う。デラックスコースは、すれて色落ちしたつま先やかかとの色の補修まで行う。スペシャルコースは、さらに、全体の色の補修を行う。エコノミーコースの場合は、特殊洗剤・オゾン水を使用し靴を丸洗いし、汚れや汗を取り除き、目に見えない雑菌等を取り除く事が可能。乾燥後、靴専用クリームで磨く。
(男性用シューズの場合)
・スタンダードコース(超音波洗浄)料金:2,500円(税抜)~
・デリケートコース(手洗い洗浄)料金:4,100円(税抜)~
○靴のクリーニング・丸洗いなら「くつリネット」【宅配無料】
革の栄養素を複合した弱酸性(ph5.5)革専用洗剤を使用して、革に栄養分やコラーゲンを、タンパク質、脂質を与えながら1足1足手洗いを行う。靴を洗う際に使用する水は、天然水と同等のキレイな水を使用することにより、靴を傷めず、専用洗剤の成分を靴に浸透させる。
・スタンダードコース(基本コース)料金:4足パックで1足4,980円(税抜)~
○靴クリーニング – 靴修理のリアット
水でクリーニングすることで靴を清潔に保ち、 また表面の色褪せは補色することでよみがえらせる。ヨゴレの状態を隅々まで確認してから、専用の洗剤を使用して手作業で水洗いする。全体を補色することで、皮革素材の色あせもよみがえることができる。
・クリーニング料金:クリーニングでは靴のチェックを行い、 靴の状態や素材に合わせたクリーニングのご提案をいたします。 利用店舗および状態により、クリーニング料金が若干異なります。 詳細はご利用店舗までお問い合わせください。
3. 革靴が臭くならないための予防
3-1.1日履いた革靴は2日休ませる
素足や靴下は毎日洗ったり洗濯したり出来ますが、革靴はほとんど毎日洗うことはできません。同じ靴下を1週間はき続けるのはとても気持ち悪いものですが、革靴は何年も洗わずにはき続けていることも多いと思います。この状態では臭くならない方が不思議です。毎日は洗うことが難しいからこそ、日々の革靴の臭いケアが大切になります。
革靴を清潔で臭わない状態を保つケア方法として、汗を乾燥させ付着した臭いを放出させる為に、1日履いた靴は2日ほど休ませてあげてください。革靴などは紫外線にあたると傷んでしまうので日陰干しが望ましいです。できれば風通しの良い場所が最適です。
職場で靴を脱ぐときには、短時間で湿気を吸収してくれる除湿剤や乾燥剤などを靴の中にいれることで、靴内の湿気を取り菌の繁殖を抑えることができます。
3-2.足にかいた汗を吸収してくれる中敷を敷く
中敷きを敷くことにより、足にかいた汗を吸収してくれます。特に“へちま”で出来た速乾性に優れているものや、抗菌加工や緑茶成分が含まれるインソールを使用すると効果的です。中敷も靴と同様に日々ローテーションすることで、臭いの蓄積を抑えることができます。
一日履いた靴の中敷は、毎回取り出し日干ししてあげることが大切です。職場などで毎日同じ靴を履く必要があるときは、中敷をこまめに交換するだけでも臭いを軽減できます。
3-3.靴下を履き替えることで臭いが激減する
もっとも足の臭いが溜まりやすい靴下を1日に3回履き替えることにより、足の臭いが激減することができます。汗や臭い、菌が蓄積された靴下を、蓄積されていない新しい靴下に履き替えることにより臭いがなくなります。
3-4.消臭剤を使うことで臭わなくする
○ミョウバン水(手作り)
ミョウバンスプレーを靴の中にスプレーするだけで、靴の中の細菌が激減されて臭いも抑えられます。スプレーの目安は、片足5回、両足10回ほどで効果があります。素足に直接スプレーをすると制汗剤としても使えます。
作り方など「足の臭いを消す方法 靴下・靴・素足の3つの対策で無臭にする」に詳しく紹介しております。ご参考ください。
○市販の消臭剤
市販されている消臭剤の選ぶとすれば、重要なポイントがあります。そのポイントは、反応消臭式を採用している消臭スプレーです。短時間で大容量の臭いを無臭化するため、臭わないと感じられる画期的な消臭スプレーです。
臭いと感じたときにスプレーをすれば瞬時に消臭でき、また、事前に靴下にスプレーすることにより、消臭機能を持った靴下に変え、臭わないようにすることができる消臭スプレーです。ぜひ参考にしてください。
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3-5.銅イオンで消臭する
「10円玉を入れる」ことは有効な方法です。銅イオンが悪臭成分を中和し、菌の繁殖を抑える効果があります。清潔な状態のほうが反応がよくなり、消臭効果が高まる為、よく洗ったきれいな10円玉を片方の靴に3枚入れてください。10円玉の表面が黒ずんできたら交換の目安です。
4.臭くならないための革靴のお手入れ方法
4-1.基本的な毎日のお手入れ
1日履き終えた靴は、臭いや汚れを溜め込まないためにも毎日お手入れすることが大切です。靴の外側はブラシで汚れをとり、靴の内側はおしぼりよりも緩く絞ったタオルで汚れを拭き取ります。クリーナーで外側の汚れを拭き取り、クリームを塗って仕上げます。湿気対策には、靴の中に乾燥剤や除湿剤を入れると翌日には靴の内側の蒸れが解消されます。
4-2.雨の日で濡れたときのお手入れ
濡れた革靴は、完全に乾くまで履かないことが鉄則です。外出時には、後ほどお話する応急処置を行い、帰宅後にしっかり乾燥させれば、靴へのダメージを最小限に抑えられます。
○出先での応急処置
新聞紙や紙類をくしゃくしゃにしたあと、一度広げてやわらかくふわりと小さく丸め直して詰めるのがコツです。新聞紙が湿ってきたら何度か取り替えておくと早く乾燥します。つま先を下にして壁などに立てかけておきます。
こうすると水が下に落ちるので新聞紙が水分や湿気を吸収してくれます。3-5.でもお話しましたが、靴の中に乾燥剤や除湿剤を入れると靴の内側の湿気と臭いが解消されます。
○自宅でしっかり処置
乾いたタオルで表面の水分を拭き取り、新聞紙などの紙類を丸めて中にいれて湿気を取ります。新聞紙が水分を含んできたら新聞紙を交換してください。湿気が取れるまで数回交換してください。
靴を一晩置いてから翌日ウッドシューキーパーを靴の中に入れて乾いたタオルの上に置き、風通しのよい日陰で1~2日よく乾かし置いておいてください。
ウッドシューキーパーを使うことにより、靴の形を崩さずに、中の汗や湿気を吸うというメリットがあり、臭いを軽減するという二次効果も期待できます。
R&K’s Company 木製 シューキーパー
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ウッドシューキーパーがない場合、新聞紙を丸めてティッシュでくるみ、靴の中に入れて形がくずれないよう割り箸で支えて「即席シューキーパー」にするとよいです。
5. まとめ
すでに臭くなってしまった革靴は水洗いで臭いと汚れを取り除き、日々のお手入れや臭い対策で、革靴に臭いを溜め込まないよう心がけることで、革靴の臭さから開放されます。お気に入りの革靴をより長く臭いが気にならない快適に履き続けられるよう日々正しくお手入れを行い、革靴の臭いのお悩みを解消してください。