ワキガの衣類を洗濯する上で絶対に知っておくべき3つのポイント
衣類に付着したワキガ臭や黄ばみは非常に取れにくいものです。ワキガ体質の人はせっかく新しい衣類を購入したのにワキガ臭や黄ばみが付いてとても残念な気持ちになったり、また他人に不快な思いをさせていないかと心配したりといった経験をお持ちではないでしょうか?
ご本人だけでなく、ご主人のワキガ臭の洗濯に苦労している奥様も多いかもしれませんね。
ここでは、①衣類へのワキガ臭や黄ばみの付着を防ぐ方法と共に、それでも付着した場合のために②最も効果的な洗剤の選び方と③正しい洗濯方法という3つのポイントをご紹介しています。
さらにネット上にあふれるワキガ臭を取る方法のまちがいや洗剤選びの注意点などもご説明しています。
最後までお読み頂ければワキガ臭の洗濯の悩みは解決できますよ!ぜひ参考にしてみて下さい。
Contents
1.洗濯前に知っておくべきワキガ臭と黄ばみが落ちにくい理由
ワキガ体質の人の衣類対策でもっとも大切なポイントは、衣類にワキガのニオイや黄ばみを付けないこと です。
それほどにワキガのニオイと黄ばみは落ちにくいものなのです。では、その理由からご説明していきます。
1-1.ワキガのニオイが落ちにくい理由
ワキガ臭が発生するしくみは非常に複雑で主に次の3つが大きな原因と言われていますが、これ以外にもさまざまな要素が絡み合っています。
- 皮脂が皮膚表面で脂肪酸となり、脂肪酸が空気に触れて酸化してニオイを発する
- エクリン腺から出る汗(通常の汗)に細菌が繁殖してニオイを発生する
- アポクリン腺から出る汗(ワキガの原因と言われている)に細菌が繁殖してニオイを発生する
このようにワキガ臭はさまざまなニオイの原因物質が混在する「複合臭」ですが、中でも3のアポクリン腺から出る汗を原料としてワキガ菌が繁殖するときに発生するニオイには「香料成分」が含まれています。
ワキガ臭に限らず、香料成分を瞬時に無臭化する技術は現在のところ存在しません。そのため、香料成分の発生つまりワキガ臭を発生させないようにすることが重要なのです。
しかし実際は、完全に発生を抑えることは難しいのが現実です。でもご安心下さい。香料成分の発生を出来るだけ防ぐ方法と発生してしまった場合の効果的洗濯方法も後程ご紹介させて頂きます。
1-2.ワキガの黄ばみが落ちにくい理由
汗をかくと衣類の脇の部分が黄ばむことがありますが、黄ばみの原因は次の4つが考えられます。
- エクリン腺から出る汗の成分(特にミネラル分)が繊維にしみこむ
- 衣類にしみこんだ皮脂が酸化し脂肪酸になる
- 肌質に合わない制汗剤やデオドラント剤が繊維にしみこむ
- アポクリン腺から出る汗に含まれる色素成分と鉄分が繊維にしみこむ
特に色素成分が繊維にしみこむとなかなか落とせません。その結果、ワキガ独特の黄ばみとなって衣類に残ってしまいます。
2.洗濯よりも重要なのは衣類へのワキガ臭と黄ばみの付着を防ぐこと
1章でお話した通り、衣類にワキガ臭が付着したりワキガによる黄ばみができてしまうとなかなか落とせません。そこでワキガ臭と黄ばみの原因物質を衣類に付けないように予防することが大切です。
そのためには次の5つの方法が効果的です。ぜひやってみてください。
2-1.シャワーで汗を流してから衣類を着用する
衣類を着用する前に、さっとシャワーで汗を流すのがおススメです。
就寝中はコップ1杯分の汗をかくと言われています。パジャマや寝具に吸い込まれている汗もありますが、肌表面の汗を流すことはニオイの原因菌の発生を防ぐ意味でも大切です。
特に朝は就寝中に出た汗を流して、さっぱりしてから着替えるようにしましょう。
2-2.小まめに汗を拭く(濡れタオルやデオドラントシートがおススメ)
汗は本来は無臭ですが、時間が経過 すると皮膚の表面にいる細菌に反応してニオイを発するようになります。 そこで、日中は小まめに汗を拭くようにしましょう。
ただし、乾いたタオルやハンカチで拭くのは汗(水分)は取れますが、皮膚の表面に繁殖した細菌を拭き取ることはできません。濡れタオルやデオドラントシートを使うようにしましょう。
なお、汗を拭いた濡れタオルをそのままにしておくと、タオルに細菌が繁殖します。汗を拭いたらその都度タオルを洗うのがいいのですが、難しい場合は使い捨てのデオドラントシートがおススメです。肌が弱い人はゴシゴシこすると肌を刺激するのでサッと拭くだけにしましょう。
2-3.ワキパッドを使用する
日中、たびたび汗が拭けないという場合は、衣類の脇部分に「ワキパッド」をつける方法があります。
最近は吸水性に優れていてリーズナブルなワキパッドが販売されています。使い捨てなので、毎日清潔なパッドに取り換えられる点もメリットですね。
なお、ワキパッドはフローラルなどの香りがするタイプと無香料タイプがありますが、汗のニオイと混ざり合うとかえって不快なニオイになるので無香料の方がおススメです。
2-4.ワキガ臭の発生を防ぐ衣類用抗菌剤を使用する
衣類に汗が付くとそこに細菌が繁殖し、ニオイが発生します。ワキガ臭を防ぐためには、衣類の細菌の活動を抑えることが大切です。
そのために衣類を着用する前に衣類のワキ部分に「衣類用の抗菌剤」を使う方法があります。
衣類用の抗菌剤というのは着用前に衣類にスプレーすることで、衣類の細菌の繁殖を抑えるものです。 おススメの衣類用抗菌剤をご紹介します。
<衣類の抗菌剤 ヌーラビオ (株)興和堂 >
200ml 3,500円(税抜き)いい快互服ドットコム
ヌーラビオは着用前の衣類にスプレーすることで、ワキガの原因菌(コリネバクテリウムや黄色ブドウ球菌)をはじめ、大腸菌やO-157などの細菌を99.9%殺菌(※)できる抗菌剤です。
(※財団法人北里環境科学センター調査結果より)
しかも、菌の核や細胞壁に傷をつけることで「ニオイ菌忌避(きひ)信号」を発生させます。これによって他のニオイ菌を寄せ付けない効果を発揮し、スプレー後72時間、菌の繁殖を抑えることができるのです。着用前にスプレーすればほぼ1日、ニオイの発生を抑制できます。
- 忌避(きひ)信号とは菌が他の菌に「ここは危険だから来ちゃダメ」と伝える信号のことで、この働きを「忌避反応」と呼びます。ヌーラビオは菌の核や細胞膜を傷つけて菌に忌避信号を発信させ、他の菌が近寄らないようにする作用があります。そのため、長時間の抗菌が可能なのです。
- ちなみに多くの人が利用する某貸衣装屋さんでは、ワキガ体質の人に貸した衣装のワキガ臭が取れずにお困りでした。そこでヌーラビオを使って、あらかじめニオイの付着を予防しています。
2-5.帰宅後はすぐに洗濯する
さまざまな方法を取っても、汗が衣類に付着するのを完全に防ぐのは困難です。
どうしても衣類に汗が付いてしまいますが、それを放置するとそこに細菌が繁殖し、ニオイを発するようになります。黄ばみの原因物質も衣類にしみこむと取れにくくなるため、一晩おいて朝洗濯するのではなく、脱いだらなるべく早く洗うようにしましょう。
3.ワキガのニオイと黄ばみは酸素系洗剤でつけ置き洗いするのがベスト
衣類にワキガのニオイと黄ばみが付いてしまった場合の洗濯方法をご紹介します。ポイントは「洗剤選び」と「正しい洗い方」です。特に洗剤は「酸素系洗剤(または酸素系漂白剤)」がベスト です。
3-1.酸素系洗剤がベストな理由
どうして酸素系洗剤がベストなのか、その理由をご説明します。
その前に、まず通常の洗剤(合成洗剤と呼ばれるもの)と酸素系洗剤の違いからご説明します。
3-1-1.通常の洗剤の特徴
通常の洗剤は界面活性剤を使って汚れを落とします。界面活性剤には油となじみやすい親油基と水になじみやすい親水基という2つの性質を合わせ持っています。
まず油になじみやすい親油基に皮脂などの油汚れが付き、さらに水になじみやすい親水基が汚れを水中に分散させます。また、界面活性剤は水中に分散した汚れを繊維に再付着するのを防ぐ働きもあります。
このように通常の洗剤は油汚れを落とすのには向いていますが、他の汚れは落ちにくいのです。
3-1-2.酸素系洗剤の特徴
酸素系洗剤は下記のように酸素の力でさまざまな汚れを落とします。また、弱アルカリ性なので酸性の汚れを中和したり、細菌の活動を抑えたりする働きがあります。
① 酸素の力で汚れを分解
酸素系洗剤は酸素の力で汚れを包み込んで、汚れを分解します。
② 弱アルカリ性で酸性の汚れを落とす
また、酸素系洗剤はお湯(40℃~50℃のぬるま湯)に溶かして使用しますが、この溶液は弱アルカリ性なので、皮脂が酸化した脂肪酸などの酸性の汚れを中和します。
③ 除菌効果もある
酸素系洗剤の主原料は「過炭酸ナトリウム」ですが、お湯に溶かすと「炭酸ナトリウム」と「過酸化水素」に変化します。この過酸化水素は消毒に使われるオキシドールと同じで除菌効果があります。
ワキガのニオイの原因となる細菌の活動を抑えることで、結果的に除臭効果も得られます。
3-2.おススメ酸素系洗剤でワキガ臭と黄ばみを落とす方法
当サイトおススメの酸素系洗剤「オーラO2」でワキガ臭と黄ばみを落とす方法をご紹介します。
ヌーラO2の主原料は純国産の高品質の過炭酸ナトリウムを使用していて、お湯に溶かすと大量の酸素を発泡します。この酸素の泡が汚れを包み込んで中和・分解します。
<ヌーラO2(オーツ―) (株)興和堂>
800g 3,600円(税抜き)いい快互服ドットコム
<ヌーラO2の使い方>
① ぬるま湯(40℃~50℃)に洗剤を溶かす
バケツに40℃~50℃のお湯を入れて、ヌーラO2を溶かします。洗剤の量はお湯1リットルに対してキャップ1杯程度が目安です。
② つけ置き洗い
衣類を入れてひと晩、つけ置きします。(最低でも3時間以上)
酸素の力で汚れを落とすため、もみ洗いの必要がなく、繊維を傷める心配がありません。
③すすいで脱水すれば完了
つけ置き後、軽くすすいで脱水すれば完了です。
3-3.酸素系洗剤を使う際の注意点
なお、酸素系洗剤は多くの種類が販売されていますが、成分によって「弱アルカリ性」のものと「酸性」のものがあり、それぞれに使用できる繊維の種類が異なります。
〇(使えるもの) | ×(使えないもの) | |
弱アルカリ性の酸素系洗剤 | 木綿・麻・化学繊維 | 絹、ウール、革など動物性繊維 |
酸性の酸素系洗剤 | 木綿、麻、化学繊維、絹、ウール | 水洗いできない繊維 |
「弱アルカリ性」か「酸性」かは洗剤のボトルに書いてあるので確認してみてください。また、洗剤によってつけ置きの時間は異なりますし、もみ洗いが必要なものもあります。洗濯する前に注意書きをよく確かめるようにしましょう。
ワキガのニオイや黄ばみに高い効果が期待できるのは「弱アルカリ性」の酸素系洗剤です。木綿や麻、化学繊維の衣類でワキガのニオイ、黄ばみでお悩みの場合は弱アルカリ性の酸素系洗剤がおススメです。
4.これは間違い!ネット上のワキガ臭の洗濯方法の注意点
インターネットで「ワキガ 洗濯」と検索すると、さまざまな情報が出てきます。しかし、中には根拠がないものや、間違った情報があるので注意しましょう。
4-1.衣類をお湯で煮るのはNG
衣類についたワキガ臭や黄ばみを落とす方法として衣類(シャツ)を鍋に入れて、お湯で煮るという方法が紹介されています。しかし、これは繊維を傷めるだけでなく、皮脂などのたんぱく質が固まってしまうのでやらないようにしましょう。
4-2.重曹やセスキ炭酸ソーダはワキガのニオイと黄ばみ落としには向かない
「ワキガ臭の衣類の洗濯方法」としてよく紹介されているものに「重曹」と「セスキ炭酸ソーダ」があります。しかし、これはワキガ臭と黄ばみを落とすのにはあまり向いていません。
ワキガ臭を発生させる原因となる細菌や脂肪酸は酸性なので、これを中和させるために洗剤は弱アルカリ性のものがいいのですが、重曹やセスキ炭酸ソーダのアルカリ度は弱アルカリ性洗剤ほど高くないからです。
(アルカリ度の比較)
重曹 < セスキ炭酸ソーダ < 弱アルカリ性の酸素系洗剤
このように重曹はアルカリ度が低いため、ワキガ臭や黄ばみの原因となる酸性物質を中和する力は酸素系洗剤よりも低いのです。
セスキ炭酸ソーダは重曹よりは中和する力があり皮脂などたんぱく質汚れを落とすのには向いていますが、シミを漂白する力はありません。
ワキガ臭や黄ばみを落とすなら、洗浄、除菌、除臭と漂白もできる酸素系洗剤(弱アルカリ性)のものを使うようにしましょう。
5.ワキガ臭の洗濯にまつわる素朴な疑問
では、最後にワキガ臭と衣類に関して寄せられる素朴な疑問についてお答えします。
Q:一緒に洗うとニオイはうつるの?
Q.ワキガ臭がある人の衣類と一緒に洗濯カゴに入れたり、一緒に洗濯機に入れたりするとニオイはうつるのでしょうか?
A.うつる可能性があります。正確にいうと「ワキガ菌はうつらないがニオイはうつる可能性がある」ということになります。
ワキガ菌はアポクリン腺から出る汗の成分が大きく関与していますが、この成分がない衣類にはワキガ菌は繁殖できないため、他の衣類を一緒に置いていてもワキガ菌がうつることはありません。
ただ、ニオイはうつることがあります。それを防ぐためには、ワキガ臭の人の衣類を他の衣類と一緒に長く放置せずに、脱いだらなるべく早く洗うようにしましょう。
6.まとめ
ワキガによるニオイや黄ばみはアポクリン腺から出る汗を好む細菌の繁殖や皮脂が酸化した脂肪酸などさまざまな原因が絡み合っていて、その発生のしくみはとても複雑です。しかも、一度衣類に付着するとなかなか取れません。
そこで衣類を着る前に汗を流すほか、衣類用の抗菌剤やワキパッドの使用、こまめに汗を拭くなどの方法で衣類にワキガの原因物質が付かないような対策をすることが大切です。もし衣類にワキガ臭や黄ばみがついてしまった場合は酸素系洗剤(弱アルカリ性のもの)を使うと効果的です。
洗うときは40℃~50℃のぬるま湯でつけ置き洗いがポイントです。ただし、繊維によっては使えないものがあるので注意しましょう。