緊張で出る汗が臭いのはなぜ?専門医が勧める2つの根本解決法
ドキドキしたり、ハラハラしたり、皆さんは「緊張して汗が止まらない・・」といった経験はありませんか?緊張すればするほど汗の量が増えてきたり、自分の体から嫌な臭いが漂っていたらどうしようと不安になることもありますよね。
実は、人間が緊張したとき、多量の汗をかいたりするのは、自立神経の乱れによる働きが大きく影響をしています。そこでこの記事では、緊張による汗が臭くなる原因をお伝えし、緊張を和らげるリラックス法や、今日からすぐに実践できる2つの対策をご紹介していきます。ぜひ最後までお読み頂き、お役に立てれば幸いです。
Contents
1.緊張すると体に起こる変化とは(自律神経のバランスが崩れる)
人間の体は、緊張すると心拍数が上がったり、血管や筋肉が収縮して血行が悪くなったりなど、体内ではいろいろな作用が働きます。これは体にとっても、あまり望ましくない負荷がかかっているといえます。では、どうして緊張すると体に変化が起きるのでしょうか?実は、緊張したときの体調や精神状態の変化は、自律神経の乱れに原因があります。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、「交感神経」は活発に活動する際や緊張したときなどに作用する神経で、「副交感神経」は逆に体を休ませているときや睡眠など体をリラックスさせている時に作用する神経です。日頃はこれらがバランス良く働いていますが、過度に緊張してしまうと交感神経が優位に立ち過ぎてしまうため、自立神経のバランスが崩れしまいます。
また交感神経が優位になると、男性ホルモンの分泌が増えて皮脂の分泌を促したり、アドレナリンが増えて心拍数が急激に上がったりなど落ち着きがなくなったり、心に余裕がなくなり急激に汗の量が増えるなど体に様々な変化が起こる原因となるのです。
2.緊張した時にでる汗が臭くなる原因
2-1.皮脂の分泌が増加する
1章でも少し触れたとおり、交感神経が優位に立つことで男性ホルモンが多く分泌されるようになります。これは女性でも同じです。ストレスや神経性の脂性肌の人は、このパターンが多いのではないかと思われます。では皮脂が多く分泌されるとどうなるかというと、不快な体臭の発生につながります。
皮脂の分泌量が多くなると、雑菌が繁殖するには絶好の環境になります。この大量の皮脂を栄養にして雑菌が増殖し、その際の老廃物としてニオイ物質を発生させるのです。また雑菌の繁殖だけでなく皮脂の酸化による不快なニオイも発生するため、なおさらニオイがきつくなってしまうのです。
2-2.精神性発汗によって汗の量が増加
場面はいろいろあります。運動をしたときにかく多量の汗、夏場など暑いときに自然に出てくる汗、そして緊張したときにかく大量の汗。この緊張時に出てくる汗のことを「精神性発汗」といいます。緊張していないときよりも汗の量が増加するだけでなく、ベタッとした脂汗がにじみ出てくることもあります。
こういった汗は、運度した時などで出るサラッとした汗ではなく、ベタベタした成分が濃い汗のためニオイも強くなりやすいのです。また、臭いの原料である汗の量が増えれば、雑菌の繁殖も増加するため、臭いもきつくなるのです。
以上、緊張すると汗や皮脂の分泌が多くなり臭くなりやすいことがご理解頂けたでしょうか?そこで次の章からは、緊張性の発汗に有効な対策や今すぐ始められる基本の対策をご紹介していきますので、是非参考にしていただき実践してみて下さい。
3.緊張性の発汗には心理的療法が有効
とても緊張したときや興奮、ストレスにともなう発汗は誰にでも起こることであり、恥ずかしいものではありません。しかし、なかにはちょっとした緊張だけでも多量の汗がどんどん吹き出てしまう人もおります。体臭外来専門五味クリニックの五味先生によると、このような緊張性の発汗には、心理的療法がおすすめだと言われています。ここでは専門医がお伝えしている簡単にできる方法をいくつかご紹介いたします。
3-1.ロゴセラピー(開き直り療法)
ロゴセラピーとは、「汗をかくまい」と意識すればするほど緊張して、かえって余計に汗をかいてしまう。ならばいっそのこと、「どのくらい汗がかけるものか試してやろう」と、逆説的な発想で緊張から開放されることを目指す、いわば「開き直り療法」といえる方法です。
「こんな簡単な方法で治ったら苦労なんてしない」と疑うかもしれませんが、これが意外と有効で、しかも成果がすぐ出やすいといわれています。精神分析をおこなったり行動療法などの治療は、長い時間がかかるのに対し、このロゴセラピー(開き直り療法)は、たった一回の療法で発汗が激減したというケースも実際にあるようですので、ぜひ試してみてください。
3-2.呼吸法(自律神経をリラックスさせる基本的な呼吸法)
Step1. 呼気
腹をしぼり、体内にある古い空気をすべて出し切る
Step2. 吸気
腹の筋肉をゆるめ、自然に新しい新鮮な空気を肺がいっぱいになるまで吸い込む
Step3. 保息
そのまま息を止める
Step4. 呼気
体内の汚れをすべて吐き出すようなつもりで、息を吐き切ります
ポイントは、呼気:吸気:保息の時間配分を、2:1:4の割合にします。最初は、呼気4秒、吸気2秒、保息8秒で練習してください。慣れてきたら、呼気8秒、吸気4秒、保息16秒と、徐々に時間を長くしていきます。保息が苦しい場合は保息の時間のみ短縮して行ってみてください。とても簡単な方法ですが、呼吸は人の心身に大きな影響を与えます。体を少しでもリラックスさせ緊張から開放させるためにもぜひ試してみてください。
4. 今日からできる汗の臭い軽減する基本の対策2選
4-1.日常から身体を清潔に保つ
日常の汗臭対策として最も大切なことは、体を清潔にしておくことです。肌を清潔にする基本中の基本は洗浄です。肌についた汗や雑菌、臭い物質を洗い流すことで一度は体臭もクリアになります。ただあまりゴシゴシ洗うのはかえって逆効果になります。肌が荒れたりすることで常在菌のバランスを崩し返って臭いを不快にしかねません。
また洗浄するうえで特別な石鹸は必要なく、どんな石鹸を使用するかより大切なのは洗い方になります。具体的な正しい洗い方は「高額なボディソープは必要ない!体臭対策に有効な肌を清潔に保つ2つのポイント」で詳しく紹介していますのでぜひ参考にしてください。
次に基本になるのは、汗を小まめに拭き取ること!体臭を発生させる原料は汗です。よって汗を小まめに拭きとることが、体臭を抑制する対策として有効になります。汗は時間が経過し雑菌が繁殖すると臭いを発生させます。さらに水分が蒸発しミネラル分の濃度が高くなった汗はベタベタになり、臭いも強くなってしまいます。
ベタついた汗は乾いたハンカチやタオルより、固く絞った濡れタオルやウエットペーパーのほうがより効果的に拭き取れるのでオススメです。コンビニなどで手軽に購入できる市販のデオドラントシートも便利です。殺菌成分が含まれているデオドラントシートなら、地肌を清潔に保つことも出来ますのでぜひ試してみてください。
●エージーデオ メンズボディシート
容量:30枚入 参考価格 403円(税抜)
4-2.汗のニオイが蓄積される衣類の臭い対策
体臭予防をする上で、衣類の対策はとても需要になります。その理由は、自分の体臭が他人に伝わる時、何が臭っているかというと、それは衣類が臭くなっているからなのです。汗は衣類に吸いとられます。そして衣類に付着した汗をエサにして雑菌が繁殖し、発生した臭い物質が衣類に蓄積されていくのです。
この衣類の臭い物質が一定量を超えるとニオイは衣類から拡散され他人の鼻まで浮遊するために、クサいと感じられるのです。ではどうしたらこの衣類から拡散される臭いを防ぐことが出来るのでしょうか?最も効果的な方法は着替えることです。 ニオイが蓄積された衣類は新しい衣類に着替えることで一定時間、ニオイが激減します。
一定時間とは再び汗を吸い取り、雑菌が繁殖しニオイが蓄積されるまでの時間です。体質やその場の環境などにより一概には言えませんが上半身の衣類を着替えた後は少なくとも30分から1時間程度は他人に不快なニオイが届くことはないと思います。つまり一時間おきに着替えればほとんど体臭は予防できます。
しかし現実的には一時間おきに着替えるのは、なかなか難しいですよね。そんな時でも衣類臭を抑える効果的な対策があります。それは衣類自体に消臭機能をつけておく方法です。具体的な実践方法については「体臭対策ならヌーラ!今すぐ実践すべき衣類を消臭剤にし体臭を防ぐ方法」で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
5.まとめ
緊張すると汗が出てくることは、人間にとってごく自然なことです。しかし過度の緊張により多量の汗をかくことで雑菌の繁殖も増えて体臭もきつくなります。そこでまずは、この記事でご紹介した自律神経のバランスを整える対策をとりながら、出来るだけ気持ちをリラックスさせることを心がけていきましょう。また今すぐ始められる基本の対策も有効になりますので是非参考にしてください。