加齢臭とは?実は意外と知らない加齢臭の正しい知識と臭いの対策方法
近年、日常生活上で一般的に言われるようになった「加齢臭」。街中や電車、オフィスなどで「この人、加齢臭だな・・・」と思った経験が誰でも一度はあると思います。
また、最近自分自身もちょっと体臭が気になる、もしかして自分も加齢臭がしているかも?と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
では、そもそも加齢臭とは一体どんなものなのでしょうか?もし、その加齢臭が自分自身からも出ているかも知れないとしたら、あなたならどうしますか?
相手に不快な思いをさせないためにも、加齢臭とは何かを知り、正しい予防や対策をすることで加齢臭は軽減することができます。ここでは、その加齢臭について詳しくご紹介します。是非参考にしていただき、未然に加齢臭を防ぎましょう。
Contents
1.加齢臭はノネナールと他の臭いが混ざった「複合臭」
加齢臭とは、年齢を重ねるにつれて発生する中高年に特有の体臭のことをいいます。
1999年に「資生堂」が、年齢を重ねると発生する臭いの原因物質「ノネナール」を発見し発表しました。また、このノネナールが発生した体臭を「加齢臭」と命名し、これが一般的に広く使われるようになったのです。
ノネナールは「ろうそく」「古本」「青臭いチーズ」などのような臭いがすると例えられています。これらの臭いはノネナールが発生する際に、脂肪酸・過酸化脂質・皮脂が酸化した臭いです。
脂分が酸化すると重たく不快な臭いになります。家庭で料理をするときに使う食用油も、開けたては新鮮でよい匂いがしますが、使っていくうちに古くなると酸化して段々不快な臭いになってくるのは、どなたもご経験があるのではないでしょうか。これに似た現象が起きているのが加齢臭なのです。
ここではこの加齢臭について詳しくご紹介していきたいと思います。
1-1.加齢臭が発生するメカニズム
では、この加齢臭はどのように発生するのでしょうか。
人間の皮膚は、皮脂腺から皮脂を分泌し皮膚の潤いを保っています。年齢を重ねるにつれ皮脂腺の中にあるパルミトレイン酸という脂肪酸が増加します。これと同時に過酸化脂質という物質も増加します。
このパルミトレイン酸と過酸化脂質が皮脂と結合して分解・酸化すると、ノネナールという物質が発生します。
40歳前後から、パルミトレイン酸や過酸化脂質の量が増えてくるため、この年齢を過ぎた頃からノネナールの発生と共に加齢臭も増加してくると考えられています。
しかし、加齢臭と一言でいっても、発生している臭いは人それぞれ違いますし、感じる臭いも様々です。これは単にノネナール単体だけの臭いではなく、他の臭いと混ざった「複合臭」が加齢臭だといえるのです。
他の臭いの原因とは、まず第一に体臭が挙げられます。体臭は、皮膚の表面にいる常在菌が汗などを餌に繁殖する時に老廃物として発生する臭いです。この体臭とノネナールが混ざり合い、加齢臭となってしまうのです。
更に、タバコや整髪料などの臭いと混ざると加齢臭が強くなります。喫煙者であれば、タバコの臭いと混ざり不快な臭いになりますし、男性化粧品特有の香料が入った整髪料などを使っている場合、その香料と混ざって更に不快な臭いとなってしまいます。
1-2.加齢臭は皮脂の分泌量が多い場所から発生する
加齢臭は体のどの部位から発生するのでしょうか?それは、皮脂の分泌量の多い場所から発生する可能性が高いといえます。
先にご説明した通り、ノネナールは皮脂の酸化が原因で発生する物質です。皮脂が多い部位はノネナールも発生する確率が高くなります。
人間の体の部位では
- ①頭皮
- ②額から鼻にかけてのTゾーン
- ③耳の後ろから首にかけて
- ④胸
- ⑤脇
- ⑥背中
- ⑦へその周辺
- ⑧陰部
などが皮脂の分泌が多い場所になります。
特に、①から③の頭部付近から発生する臭いは、他人の鼻に近い位置にあるため、クサイと認識されやすいようです。
- 加齢臭という言葉は最近になって使われるようになりましたが、この臭い自体は最近になって現れたわけではなく、人間に昔からあった臭いです。ではなぜここ数年で加齢臭が注目されてしまうようになったのでしょうか。それは現代社会の家族構成の変化によるものが考えられます。昔はおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に暮らす三世代同居が当たり前でした。おじいちゃん、おばあちゃんの臭いは身近な臭いであり、毎日接していたため慣れて気付かない臭いだったのです。ところが現代は核家族化が進み、おじいちゃん、おばあちゃんの臭いに慣れていない若い世代が増え、清潔志向になった社会と相まってその臭いが悪者のように加齢臭と呼ばれるようになってしまったと考えられます。
2.加齢臭を予防するには皮脂の分泌の多い部位を丁寧に洗う
それでは、加齢臭の発生を予防するにはどうすればよいのでしょう。
これには、皮膚上の余分な皮脂や臭いの元となる汗を洗い流すことが基本となります。特に、ノネナールの発生を抑えるには、皮脂の分泌の多い部位を丁寧に洗うことが大切です。
先にご説明した、皮脂の分泌の多い部位、①頭皮②額から鼻にかけてのTゾーン③耳の後ろから首にかけて④胸⑤脇⑥背中⑦へその周辺⑧陰部などです。
しかし、過剰に皮脂を取り過ぎても逆効果になります。皮脂は肌の保湿を適切なレベルに維持する役割を持ち、肌を守る為に必要なものなので、洗い過ぎてしまうと体が肌の乾燥を防ぐために皮脂を過剰に分泌するようになってしまいます。
皮脂を過剰に取り過ぎないようにするには、ナイロンブラシなどで体をゴシゴシ洗うのではなく、石鹸を泡立てネットなどを使いよく泡立て、素手でやさしく丁寧に洗うことを心掛けましょう。
また、朝、シャワーを浴びると臭いを効果的に軽減できます。就寝中は汗を多くかき、皮脂も多く分泌されるため、寝起きにシャワーを浴び、汗や皮脂を落とすことで、臭いの発生を抑えることができるため非常におすすめの方法です。
3.それでも発生してしまった加齢臭はこの対策で軽減できる
3-1.臭いの原因となる汗はこまめに拭き取る
汗をかいたまま放置してしまうと、皮膚の表面や汗などを餌に雑菌が繁殖して体臭が発生し、その臭いと加齢臭が混ざり合って更に臭いを強くしてしまう原因になります。
特に、衣類などで汗が吸い込まれたりすることのない部位、額や鼻など顔全体や耳の後ろから首にかけての部位は、加齢臭の発生を防ぐためにも、この部位から出た汗はこまめに拭き取ることが大切です。
汗を拭く場合には、乾いたハンカチよりも濡れタオルかデオドラントシートを使うことをおすすめします。濡れタオルやデオドラントシートを使用することで、乾いたハンカチで拭いただけでは取り切れない皮膚に残った汗の成分や余分な皮脂を拭き取り、臭いの発生原因を抑えると共に、出てしまった加齢臭を軽減することもできます。
3-2.衣類に付いてしまった臭いを取り除く
これまでご紹介してきた予防方法を実践しても、どうも加齢臭が抑えられていない、まだ臭いが気になる・・・といった方に、加齢臭を軽減させる簡単で効果的な対策があります。それは衣類に付いてしまった臭いを取り除く、「衣類消臭」という対策です。
発生した加齢臭は衣類に付着します。衣類は目の細かい繊維で出来ているため、表面積が非常に大きく、臭いを吸着しやすい構造になっています。その細かい繊維の中に臭いが溜まって蓄積され、飽和状態になると臭い成分が拡散しクサイと感じるのです。
この衣類に付着した臭いを消臭することが、加齢臭を軽減させるのに簡単で非常に効果的な対策なのです。
これを詳しくご紹介した記事はこちら、
「体臭対策ならヌーラ!今すぐ実践すべき衣類を消臭剤にし体臭を防ぐ方法」
または
「衣類消臭スプレー徹底解明!自分に最も適したスプレー選びのポイント」
も是非ご参考にしてください。
4.まとめ
加齢臭とは40歳を過ぎれば誰でも発生する可能性のある体臭です。しかし、ここでご紹介した日常からする予防を心掛け、効果的な対策を行えば何の心配もいりません。
更に、和食などを中心とした食生活に改善することや、活性酸素を増やす原因となるストレスを減らすことなど、心身共に健康な生活習慣を心掛けることが加齢臭を抑えることにもつながります。
特に、今回最後にご紹介した衣類を消臭する方法は効果の高い対策になりますので、是非一度お試しいただければその効果をご実感できるはずです。