口臭を防ぐタイプ別予防対策と歯磨き粉の選び方・歯の磨き方
口臭を防ぐ歯磨き粉をお探しのあなた、「口臭に効く!」といった歯磨き粉に変えるだけで口臭を防ぐことができると思っていませんか?単に口臭用の歯磨き粉を使うだけで全ての口臭が防げるというのは間違いなのです。
まずはここでお教えする歯磨き粉の選び方と正しい歯の磨き方を実践してみてください。口臭と疑っているもののほとんどはこれで解消できるのです。
しかし、中には歯磨きをするだけでは解決できない口臭もありますので、ご自分がどのような口臭のタイプなのかを知ることが重要になります。そのタイプ別の予防や対策もご紹介していますので是非ご覧ください。
1.口臭タイプ別、主な原因と予防・対策
はじめに、口臭にはどのようなタイプがあるのでしょうか。口臭といってもいろいろな原因によるものがあり、簡単に歯磨きで防げるものから根本的な治療が必要なものまで予防や対策も違ってきます。
ご自分の口臭はどのタイプなのかを確認し、適切な予防や対策をすることで口臭を防ぐことができます。
1-1.食べ物やアルコール・タバコなどが原因で起こる口臭の主な原因と予防・対策
食べ物やアルコール・タバコなどが原因で起こる口臭のことを「外的口臭」といいます。
食べ物はにんにくやニラ、ねぎなどに含まれるアリシンという悪臭成分が胃で消化されたあと、血液によって体内を循環したあと肺を経由し、口臭となって吐き出されるため起こります。
アルコールは体内で分解される際にアセトアルデヒドという悪臭成分が主な原因で口臭を発生させます。また、アルコールの利尿作用が唾液の分泌量を減少させ、口臭を更に発生させる原因にもなります。
たばこはタールという物質がヤニ臭さの原因になります。また、ニコチンという物質が口腔内の唾液の分泌量を減らし、口臭を生む原因にもなります。
しかし、これらは体内で消化されて時間の経過とともに消えていく一時的な口臭のため、それほど深刻な口臭ではないといえるでしょう。外因的口臭は発生している際に洗口液や歯磨きをしたり、ブレスケアなどのタブレットを使用したりすることが口臭を防ぐ主な対策になります。
・外的口臭におすすめの歯磨き粉はこちら
わかもと製薬 アバンビーズDX
http://www.wakamoto-pharm.co.jp/products/item/mouth_01.html
【特徴・効果】
清掃剤に生きた乳酸菌を使用した薬用歯みがきです。4種の薬用成分と乳酸菌の働きにより、口内環境を改善、歯周病、むし歯、口臭を予防します。また、タバコなどの着色汚れを除去し、歯ぐきの炎症・腫れを抑えます。
1-2.日常生活で誰にでも起こる治療の必要ない口臭の主な原因と予防・対策
日常生活で誰にでも起こる治療の必要ない口臭のことを「生理的口臭」といいます。
寝起きや空腹時、緊張やストレスから来る口臭などがあります。これら生理的口臭の原因には「唾液」が大きく関わっています。
寝起きに口臭が起こるのは睡眠中に唾液の分泌量が減り、嫌気性細菌(歯周病菌や虫歯菌などの細菌)が繁殖を繰り返して増殖します。そして口腔内に食べかすや舌に汚れが残っていると、この汚れ成分を嫌気性細菌が分解し口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物(VSC)を多く作り出すため、嫌な口臭が発生するのです。
これを防ぐためには寝る前に丁寧に歯を磨いて歯垢を取り、口臭の原因となる細菌を減らしておくことが非常に重要になります。また、起床直後の歯磨きも、睡眠中に増殖した細菌を取り除くのに効果的です。
同じく空腹時や緊張しているとき、ストレスを感じている際にも口腔内は唾液が減少している状態になっています。唇や舌を動かしたり、食事をしたり、リラックスしたりして唾液の分泌量が多くなるよう促し、口臭が特に気になる場合には歯磨きをすることをおすすめします。
・生理的口臭におすすめの歯磨き粉はこちら
デンティス
http://kiss.dentiste.jp/item.html#item01
【特徴・効果】
口臭予防歯磨き「デンティス」は9種類の植物エキスを配合。ブラッシング後の口臭をマスキングするので、目覚めた時もすっきりします。口臭をカバーするだけではなく口腔内の汚れやネバツキをしっかり除去し、口内を長時間さわやかに保ちます。歯石の沈着を防いで歯垢を除去し、虫歯を防ぎます。
1-3.口腔内の歯周病や虫歯などが原因で起こる口臭の主な原因と予防・対策
口腔内の歯周病や虫歯などが原因で起こる口臭のことを「病的口臭(口腔内原因)」といいます。
先にご紹介した口臭に効果的な歯磨き粉を選び、正しい歯磨きをしても口臭が改善されない場合は、歯周病や虫歯になっていることが原因で口臭が発生していることが考えられます。
歯周病とは口腔内の歯垢の中にいる細菌によって歯肉が炎症を起こす症状です。虫歯とはミュータンス菌という細菌が作り出す酸によって歯が溶かされていく症状です。どちらの場合もこれらの症状が原因で口臭を発生させます。
歯周病や虫歯は自分で治すことはできませんから、まずは歯科医院で診察を受け、歯周病や虫歯であれば適切な治療することがこの口臭を防ぐ最も良い対策になります。さらに治療が済んだ後も定期的に検診を受けクリーニングなどのメンテナンスを続けることが重要です。
・病的口臭(口腔内原因)におすすめの歯磨き粉はこちら
ウェルテック コンクール ジェルコートF
https://www.weltecnet.co.jp/concool/products/jelcoatf/
【特徴・効果】
ジェルコートFは、じっくり磨けるジェル処方の歯みがき剤。ブラッシング効果を最大限に引き出します。発泡剤・研磨剤無配合なので口中が泡だらけにならず、歯面を傷めません。歯科推奨の殺菌剤(塩酸クロルヘキシジン)、フッ素効果(フッ化ナトリウム)が歯をコートします。
ライオン チェックアップ スタンダード
http://www.lion-dent.com/client/products/basic/checkup_s.htm
【特徴・効果】
フッ素滞留性を高めた独自の新処方。フッ素が口腔内のすみずみまで広がりやすいソフトペーストで歯や歯肉にやさしい低研磨性。また、低発泡性で泡立ちが少なくやさしい香味なので長時間ブラッシングすることができ、少量の水ですすぐことができます。
1-4.口腔外の呼吸器系疾患や内臓疾患などが原因で起こる口臭の主な原因と予防・対策
口腔外の呼吸器系疾患や内臓疾患などが原因で起こる口臭のことを「病的口臭(口腔外原因)」といいます。
この口臭は先の歯周病や虫歯などの口腔内原因でもない場合、更に疑うべき原因となります。
口腔外原因には以下に示す疾患が重度な場合に口臭を認める場合があります。
- 代謝性疾患:糖尿病(アセトン臭)
- 肝機能障害:アンモニア臭
- 腎機能障害:魚の腐ったような臭い
- 鼻咽喉疾患:副鼻腔炎・副鼻腔癌:タンパク質の壊疸臭
- 呼吸器疾患:気管支拡張症・肺結核・肺癌
- 消化器疾患:食道憩室・食道ヘルニア
この原因と疑われる場合も上記のような疾患があるかどうかは実際に診察を受けてみないと解りませんので、まずは歯科医院または口臭外来として口臭を専門に診察・治療している医療機関での診察を受けることが第一です。
2.口臭を防ぐための歯磨き粉の選び方のポイント
次に口臭を防ぐためにはどんな歯磨き粉を選んだらよいのでしょうか?
口臭の原因で最も多いといわれているのが「歯周病」や「虫歯」などの口腔内の原因です。この口腔内の原因の対策をすることによってほとんどの口臭を解消できるといっても過言ではありません。そのための効果的な歯磨き粉の選び方のポイントをご紹介します。
2-1.低発泡のものを選ぶ
歯磨き粉をはじめ、化粧品などにもよく配合されているのが発泡剤です。
その名の通り、歯磨き粉を泡立たせる成分で汚れを落とす手助けをする働きを持っています。「ラウリル硫酸ナトリウム」や「ラウロイルサルコシンナトリウム」などという成分が発泡剤です。口腔内に歯磨き粉が行き渡りやすいのが特徴で、より爽快感を感じることができます。
しかし、軽くブラッシングしただけで泡が立つためそれだけでしっかり磨けたと錯覚してしまいます。また大量の泡ですぐに口をすすぎたくなり、十分にブラッシングせず磨き残しができ歯周病や虫歯になりやすくなってしまうのです。
時間を掛けて丁寧に歯磨きするためにも、低発泡または発泡剤の入っていないものを選ぶのがポイントです。商品を選ぶ際には、メーカーのホームページや商品に記載されている成分表示などを参考にして、低発泡であるかまたは発泡剤が入っているか確認しましょう。
商品に記載されている成分表示は配合量の多いものから表示するというルールがあるので、先(上)に表示されているものが主要な成分、後(下)に表示されているものは配合量が少ないのでこれも選ぶ際の目安になります。
2-2.研磨剤が少ないものを選ぶ
研磨剤は「含水ケイ酸」「酸化チタン」「重質炭酸カルシウム」「シリカ」「リン酸水素カルシウム」などがあり、歯磨き粉に含まれる研磨剤は「清掃剤」として商品に表示されていることが一般的です。
研磨剤が含まれている歯磨き粉を過度に使用すると歯の表面が削られてザラザラになってしまい、歯垢がつきやすくなってしまいます。歯垢は時間が経過すると歯石に変化し歯周病の原因となります。歯周病は口臭の大きな原因の1つなので、これを防ぐためにも、できるだけ研磨剤の少ない歯磨き粉を選ぶようにしましょう。
商品を選ぶ際には発泡剤の時と同様、メーカーのホームページや商品の裏に書いてある成分表示などを参考にして確認しましょう。
2-3.フッ素が入っているものを選ぶ
「フッ化ナトリウム」や「モノフルオロリン酸ナトリウム」などといったフッ素は歯の表面のエナメル質を酸に溶けにくくしたり、そのエナメル質と反応して酸に負けない強い歯にしてくれます。抗菌作用もあるため口腔内の細菌が作り出す酸の働きを抑えます。
また、虫歯になりかけの歯の表面を修復してくれる効果もあります。口臭の原因となる虫歯の発生を防ぐといった効果が期待できます。
現在市販されている歯磨き粉のおよそ8割から9割に配合されていて、フッ素の濃度が濃ければ濃いほどその効果が高いと言われています。日本の薬事法では、販売できるフッ素の濃度が1000ppmと定められているため、この数値に近い濃度のフッ素が含まれた歯磨き粉を選ぶとより効果が高いでしょう。
2-4.薬用成分が配合されているものを選ぶ
歯磨き粉に配合される有効成分の中でも、その薬理作用から疾患の予防などの効果があると厚生労働省から認められた成分のことを「薬用成分」と言います。
「医薬部外品」の歯磨き粉は『薬用歯磨き粉』とも呼ばれ、この薬用成分が配合されています。これらの成分は口臭の原因となる虫歯や歯周病などの症状に効果があるため、それらの症状にあった成分が配合されたものを選ぶことで口臭を防ぐのに効果的です。
主な薬用成分は以下のようなものがあります。
- 虫歯予防:モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム
- 歯肉炎予防:塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン
- 歯周病(歯肉炎・歯周炎)予防:塩化クロルヘキシジン、トラネキサム酸、グリチルリチン酸ジカリウム、β-グリチルリチン酸、ビタミンE、塩化ナトリウム
- プラークの分解:デキストラナーゼ
- 歯石沈着防止:ポリリン酸ナトリウム
- 知覚過敏抑制:乳酸アルミニウム、硝酸カリウム
- タバコのヤニ除去:ポリエチレングリコール
3.口臭を防ぐための正しい歯の磨き方
最後にこれから紹介する正しい歯磨きの仕方と今のご自分の歯磨きの仕方を比べてみてください。それだけで口臭を防げるの?と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、口臭を防ぐためには正しく歯を磨くことが基本であり非常に重要なのです。
3-1.一回に使用する歯磨き粉の量
はじめに一回に使用する歯磨き粉の量ですが、テレビのCMなどで歯ブラシの毛先全体に歯磨き粉を乗せているのを見ますがあれは大げさな演出です。毛先にほんの少し、多くても1cm程度で十分です。
付ける歯磨き粉の量が多いと泡立ち過ぎて、細かいところが磨けていなくても短時間ですっきりした「つもり」になってしまい磨き残しの原因になります。
3-2.歯ブラシの持ち方と磨き方
歯ブラシの持ち方は、手のひらで握ると力が入り過ぎて歯や歯茎を傷つけてしまう恐れがあるので、それを防ぐため鉛筆を持つようにして磨きます。そして歯と歯ブラシが直角に当たるように磨くのが基本です。歯の1~2本に毛先を当てて細かく動かし10~20回程度磨きます。
また毎回決まった箇所を決まった順番で磨くと磨き残しを防ぐことができます。これを口全体に行い10~15分程度掛けて丁寧に磨きましょう。
3-3.更に効果的な2度磨きの方法
更に時間があるときにおすすめなのが「2度磨き」です。これは1回目に歯磨き粉を使わずに歯磨きをして1度口をすすぎ、2回目に少量の歯磨き粉を付けて仕上げをする方法です。
この方法の良い点は、1回目に歯磨き粉を使わないことで泡立ちがなく、すぐに口をすすぎたくなる心配がないため長く隅々まで磨くことができます。また、2回目に歯磨き粉を付けることで口の中がすっきりし、1回目の歯磨きで大部分の汚れが落ちているため歯や歯茎に薬用成分などの効果が発揮されやすくなるといった利点があります。
4.まとめ
口臭はほとんどの場合、毎日の正しい歯磨きで防ぐことができるのを理解いただけたでしょうか?しかし、歯磨きだけでは100%歯周病や虫歯を防ぐことは難しいと思いますので、定期的に歯科検診を受け異常がないか確認することが口臭を防ぐことにつながります。爽やかな口臭のためにもこれらの意識をもち日々の歯磨きにお役立ていただけたらと思います。