体臭からアンモニア臭がする最も可能性の高い原因は菌の繁殖!
体臭がクサイと人から言われて初めて気にし始める方もいれば、日ごろから自分に体臭が気になり周りに迷惑をかけていないかと不安に思う方がいらっしゃるのではないでしょうか。通勤時の満員電車の中、締め切られたエレベーターの中、通学時のバスの中など、人と人が密集して他人との距離が近い場面では、特に体臭が気になりますよね。
体臭は、強さに個人差がありますが、誰にでもあるものなのです。しかし、アンモニアのような鼻をつく臭いが体から感じられる場合は、やはり気になるものです。では、なぜアンモニアの臭いを感じるのでしょうか。
実は体からアンモニアの臭いを発生する原因は2つあります。ひとつは、体から出る汗を常在菌が分解する際にアンモニアの臭いを発生させることです。自分から体臭にアンモニアの臭いを感じる場合、最も可能性が高い原因が、この汗と常在菌により発生する体臭が考えられます。
もうひとつは、汗とは無関係な原因で発生する体臭です。これは、腸肝循環の機能低下により血中に溶け込んだアンモニアが毛穴から排出したり、肺から呼気により排出したりすることが考えられるのです。ここでは、アンモニアが体臭として発生する2つの原因と、その対策についてご説明していきます。まず、それぞれの原因について確認してみましょう。
Contents
1. 汗などを常在菌が分解する際に発生するアンモニア臭
1-1.汗を原料としてアンモニア臭が発生する原因
皮膚には悪い菌からの感染を守ってくれる常在菌が常に付着しています。汗は、分泌されたばかりのときは、ほぼ無臭なのですが、時間が経過すると常在菌が皮脂や汗を栄養として繁殖をはじめます。この繁殖をした際に老廃物として臭い物質を発するようになるのです。
体や衣類を不衛生にしておくと、汚れや汗を栄養としてより菌が繁殖し、ますます強い不快な臭いを発生させてしまいます。この不快な臭いの中にアンモニアなどの臭い成分が含まれているのです。
そして、体臭の悩みのひとつとして、ニオイが他人に伝わることではないでしょうか。実は、他人に体臭を感じられるのは、臭い物質が衣類に蓄積されていくから、ということをご存知でしょうか。
全身から汗や皮脂が出ており、その汗や皮脂を吸い取るのは衣類。汗や皮脂を栄養として菌が繁殖するのも衣類。そして、菌が繁殖した際に発生する臭い物質や、皮脂が酸化して発生する臭い物質も蓄積されるのも衣類となります。
最終的に衣類に一定量以上の臭い物質が蓄積されると臭い物質は飽和状態となり、衣類から臭い物質があふれて飛び出していきます。この飛び出した臭い物質が他人の鼻まで飛んでいくと”クサイ(体臭)”と感じられてしまうのです。
1-2.汗や皮脂を栄養として菌が繁殖した臭いを抑える4つの対策
1-2-1.濡れたタオルで汗をこまめに拭き取る
汗をかいたときは、濡れたタオルや市販の汗拭きシートなどで、こまめに汗を拭き取ることで、体を清潔に保つことができ、菌の繁殖を抑えて臭いの発生を防ぐことができます。
汗を拭き取る際、乾燥したタオルやハンカチなどで汗を拭き取ることはできますが、汗をすべて拭き取ってしまうことになり、乾いた肌は再び肌を潤そうとして余計に汗をかいて、菌の栄養となる汗が過剰に増えることでニオイが強くなりやすくなります。
よって、濡れたタオルや汗拭きシートを使用することで、菌も汗と一緒により拭き取ることができるので、臭いの発生を抑えることができます。
ただし、濡れたタオルを繰り返し使うことで、タオル自体に菌や汗、汚れが蓄積されて、タオル自体に菌の繁殖が行なわれ臭い発生してしまします。使用後はすぐに洗うとよいでしょう。濡れたタオルの使用が面倒な場合は、洗う手間もなく使い切りで使用でき、常に衛生的に汗を拭き取ることができるで、市販されている汗拭きシートがおすすめです。
1-2-2. 臭いが蓄積されていない衣類に着替える
今すぐ体臭を解決できる方法は、着替えることです。汗や臭いが蓄積された衣類を臭いが蓄積されていない衣類に着替えることにより、すぐに臭いを取り除くことができます。当たり前のことに思われますが、今すぐ体臭を解決できる効果的な方法なのです。
最近ではコンビニでもTシャツやワイシャツなどが販売されています。予備の着替えを持ち歩くことが難しいときや、着替えの用意がないときでも、コンビニで手に入れることができますので、すぐに実践できる対策となります。
とはいえ、実際に着替えるとなると、仕事中であればタイミングが見つからず着替えることが難しかったり、コンビニで衣類を購入できても着替えたあとの衣類を持ち歩くことが面倒だったりもします。
このような時には、とっても簡単な対策として消臭機能を持った衣類を着用することで、長時間、体臭を気にせず過ごすことができます。消臭機能を持った衣類での対策については「着るだけで体臭を激減する!高性能消臭シャツに必要な4つの機能」に詳しくご紹介していますので、ご興味があればご参考にしてください。
1-2-3.洗い残しがないよう体の隅々まで丁寧に洗う
菌のエサとなる皮脂や垢を落とし、肌を清潔に保つことは、臭いを防ぐための基本です。ただ簡単に洗うのではなく、石けんやボディソープをしっかりと泡だて、手や綿のタオルで泡を転がすように丁寧に洗うことです。
洗うときにゴシゴシと強くこすったり、洗浄力の強い石けんやボディソープを使うと、皮膚に必要な皮脂まで落としてしまいます。必要な皮脂が落とされると、それを補おうと、皮脂が過剰に分泌されるため、菌の繁殖がしやすくなり、かえって臭いを引き起こしてしまいます。また、洗い残した泡がないよう洗い流しも丁寧に行いましょう。
体の洗い方について具体的な方法は「これで体臭を防ぐ!2つのポイントと石鹸での効果的な洗い方」をご参考にしてください。
1-2-4.サラサラした汗をかけるよう汗腺機能を高める
人の体は、体温が高くなると血液から水分やミネラルを汗腺に取り込む働きをし、汗腺が正常に機能していると必要なミネラルは血液内に吸収されて、水分と少量の塩分が汗として体外に排出されます。この時にかく汗はサラサラとしています。
ただ、汗腺機能が低下すると、必要なミネラルが血中に吸収されずに汗と一緒に出てきてしまうため、ミネラルやアンモニアなどの老廃物が混ざり蒸発しにくいベタついた濃度の濃い汗として排出されてしまいます。この濃度を濃い汗は、蒸発しにくいことから皮膚に留まり、臭いの原因となるのです。
サラサラした汗をかけるように汗腺の機能を高めるには、汗腺のトレーニングを行なうことで汗をかきやすくすることができます。
汗腺を高めるトレーニングを行なうことで、体臭の原因ともなる濃度の濃い汗を抑えて、臭いのない体に近づくことができます。自宅でできる汗腺を効率よく鍛えることができるトレーニング方法をご紹介します。ぜひ試してみてください。
【汗腺を効率よく鍛えるトレーニング方法】
①湯船の3分の1半分程度を熱め(43~44度)のお湯で満たし、ひざ下とひじ先だけ10~15分ほどつけます。
②湯船に水を足し、ぬるめ(36度くらい)にして、10~15分程度つかります。
③軽く肌の表面をタオルで拭き、自然と汗が蒸発するのを待ちましょう。(寒い場合は無理せず早めに服を着てOK)
2.腸肝循環の機能低下により発生するアンモニア臭
2-1.腸肝循環の機能低下によりアンモニア臭が発生する原因
健康な人の場合は、食べ物を消化する際に腸内で生成された臭い物質は、一部は便と一緒に排出され、残りの部分は腸から血管を巡り肝臓へ送られ無臭化し尿として排出されます。
また、その中でも分解されなかった臭い物質は再び腸に分泌され、一部はオナラとして排出され、一部は再び肝臓へ送られて無臭化されます。これが正常な腸肝循環の機能となります。
しかし、便秘で腸内環境が悪くなっていたり、肉やアルコールの過剰摂取により肝機能が低下していると、腸肝循環が正常に行なわれず、臭い物質が無臭化されずに排出することができないまま血中に入ります。
この無臭化されなかった臭い物質は、汗と共にアンモニアを含む臭い物質として排出され、また、肺へまわり呼気(口臭)として排出されてます。これが、腸肝循環の機能低下によるアンモニアなどを含む臭い物質を発生する原因となります。
2-2.対策として最も優先すべきことは医師に診断してもらうこと
腸肝循環の機能低下には、肝臓の機能が低下している可能性もあるため、医師に相談し正しく診断していただくことが大切です。
また、日ごろの食生活で肉やアルコールを過剰に摂取していることにより腸肝循環の機能低下が考えられる場合は、肉やアルコールの摂取を控えて、睡眠や食生活の改善、運動不足、ストレス、喫煙や過度の飲酒といった生活習慣を整えましょう。
メカブ納豆を積極的に摂ることでも機能低下を抑えることがよいといわれています。納豆には、不溶性と水溶性の食物繊維がバランスよく含まれており、不溶性は腸壁を刺激して便を硬くする働きがあり、水溶性は便を軟らかくする働きがあります。さらに、納豆の納豆菌は、腸内環境を整えてくえる働きをします。メカブのヌルヌル成分(フコダイン)が、腸内で食物繊維のような働きをしてアンモニアなどのニオイ成分を包みこみ、その多くを便として直接体外に排泄してくれる働きをします。よって、メカブと納豆を一緒に食べることで、体臭を防ぐ効果が倍増するというわけです。メカブと納豆は、どちらも1日に1パック(50g)ずつ程度、食べるタイミングはいつでもかまいません。医学博士の五味常明氏によると、実際に、体臭や口臭が著しくひどい方たちに、毎日メカブ2パック(100g)を食べてもらったところ、一週間で正常な臭いのレベルまで下がったことがわかっています。筆者も一週間、メカブと納豆それぞれ1パックずつを混ぜて、夕食に取り入れてみました。腸内環境を整えられることに関しては実感がありましたが、体臭が軽減されたかについては、正直なところ確認ができませんでした。体臭には効果を感じられにくかったのですが、メカブにしても納豆にしても健康面ではおすすめできる食材なので、肉中心の食生活の方には、特に取り入れてみる価値はあるのではないでしょうか。
3. それでもアンモニア臭が気になる人へおすすめの対策
それでも、ニオイが気になる方は、衣類自体にニオイが残っていないかを確認してください。要するに、ニオイがしない衣類を着用(清潔な衣類を着用)することが大切なのです。
一日中着用した衣類は、汗や雑菌・臭いや汚れなどが付着した状態にあります。特に、汗をたくさん吸い取った衣類をすぐに洗濯せず、まとめて週末に洗濯をしているなどで洗濯物を放置することで、菌が増殖し、ますます臭いを放出してしまいます。
洗濯の仕方を間違えると汚れも臭いも取ることができず、はじめから臭い衣類を着用することになりかねません。特に男性は皮脂の分泌が盛んなため、洗濯をしてもワイシャツや下着、靴下の臭いが取りきれないことが多いのです。
汗や皮脂の汚れが染み込んだ衣類の臭いを取るためには洗い方が重要となります。少しの一手まで、洗濯後でも臭いが残らない衣類に仕上がります。
具体的な洗濯方法については、「洗濯したのに汗臭い?汗臭い衣類の臭いを撃退する為に知っておくべきこと」をぜひ参考にしてください。
4.まとめ
ここでお話してきましたとおり、体臭からアンモニアの臭いがする原因として、最も可能性の高い原因は、汗と菌により発生する体臭が考えられます。そして、臭いを蓄積しているのは衣類のため、体臭対策をするべき場所は衣類にあります。まずは衣類への対策を行うことが、今すぐ体臭を解決することができます。
しかし、もうひとつの原因として考えられる、腸肝循環の機能低下による場合です。病的な要因も考えられますので、まずは医師に相談されることが大切です。その上で、生活習慣を整えて健康で過ごせるよう心がけてください。