足の臭いを病院で治療できる?具体的な相談方法と自分でできる治療法
「どうして自分の足はこんなにも臭いのか?」、「何をやっても足が臭くて臭くてホント困ってしまう。」など、何をやっても足の臭いが解消されず、「これって病気なんじゃないのか?」と、不安になることもあるのではないでしょうか。
自分ではどうしようもないとき、医師に相談したくなりますよね。そんな心配事を抱えている方に、ここでは、自分の足の状態を正しく確認していただくために、何科へ行き、どう診察を受けて、どのような治療を受けられるのかをご説明していきます。
きっと解決できる答えがみつかるはずです。ぜひ参考にしていただき、足の臭いの悩みから開放されてください。
Contents
1.足の状態を正しく確認するため、まずは皮膚科に相談する
足の臭いが強く感じるとき、考えられることは、水虫に感染している可能性があります。
足の臭いの原因となるのは、皮膚に常にある菌によるものですが、水虫の場合は、白癬菌といってカビの一種による菌がほかの人から感染します。白癬菌そのものは臭いを発していないのですが、皮膚が荒れてしまうとそこに菌が入り込み臭いを発するようになるのです。
菌の種類は違うのですが、皮膚の菌も、白癬菌も、高温多湿で不衛生な環境だと繁殖しやすくなるため、まずは、自分の足の状態が本当に水虫なのかどうかを皮膚科で確認してみる必要があります。
また、水虫は、かゆいと思われがちですが、かゆみのない場合もありますので、正しく診断してもらうことで早期解決へと繋がります。
ここからは、皮膚科を選ぶためのポイントを3つと、診察を受ける前に準備しておくことをご紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
1-1.皮膚科選びの3つのポイント
ポイント1:皮膚科専門医がいる病院を選ぶ
受診する病院は、皮膚科専門医がいる病院を選んでください。皮膚科専門医の中でも特に水虫に詳しい、もしくは研究を行っている専門医のいる病院を受診できれば完治は早くなります。
皮膚科専門医とは「認定された指導医のもとで5年以上にわたるある一定のトレーニングを積み、かつ専門医としての知識と技量が備わったと認められる医師」と日本皮膚科学会で定義されている専門医のことです。
ポイント2:顕微鏡検査で検査を行なってくれる病院を選ぶ
サイトなどで診療内容に水虫や治療方法について紹介しているところ、 顕微鏡検査をきちんと行ってくれるところを事前に確認してから受診してください。
検査は、患部の皮膚の角質を少量だけ採取して、その中に水虫菌(白癬菌)が存在しているかどうか、顕微鏡で検査をすることで正確に診断できるからです。
その結果、水虫が疑われる症状があり、白癬菌が確認できた場合、水虫としての治療を行うことになります。
ポイント3:通いやすい場所にある病院を選ぶ
症状によって長期間かかる場合もあるので、自宅や職場から通いやすい場所、予約や夜間診療を行っている医療機関を見つけるのもひとつです。
1-2.診察を受ける前に準備しておくこと
問診内容は医師により異なるかもしれませんが、一般的に聞かれる内容を一部例としてあげておきます。以下の項目を参考に、受信前の準備として、質問された場合に答えられるようメモ書きでも構わないので事前に用意しておくと診察がよりスムーズにすすめられるでしょう。
【問診内容】
・発症部位と自覚症状(かかと、足指の間、かゆい、かさかさしている、じゅくじゅくしているなど)
・発症した時期とその後の経過はどうなっているか
・家族に水虫になっている人がいるかどうか
・これまでに大きな病気にかかったことがあるか(皮膚以外でも全身の病歴を含む)
・ほかの皮膚病にかかったことがあるか。かかったことがある場合の診断名と治療経過
・現在、市販薬を使っているか。使っている場合には、薬の種類と薬品名(現物を持っていくのもよいでしょう)
・日常生活の様子や生活環境など
2.水虫の場合は医師が処方する薬で治療を受ける
水虫の治療には塗り薬が中心となります。塗り薬には、液剤やスプレー式、クリームタイプがあります。症状などによっては内服治療をする場合もあり、とくに爪水虫の場合には、効果が高い白癬菌を殺す抗真菌剤の内服を行うことが多いようです。
また、水虫の症状がなくなっても白癬菌が角質内に残っていることもあるので、医師に処方されたとおりの薬を使い切るまでしっかりと続けていくことが大切です。
水虫の治療薬は、ドラッグストアなどでも簡単に手に入れることができます。ただ「足がかゆいから」という自己判断で水虫薬を使用することで、症状が悪化したり、まったく良くならないこともあるようです。水虫の治療を長引かせることにもなりかねないので、まずは医師に相談されることが最も改善への近道となります。
水虫を正しく診断し治療を始めてから完治するまで、急性の場合は1ヶ月で完治することも可能なようです。症状によっては、年単位になる場合もありますので、慢性化する前に一日でも早く治療を行うことをおすすめします。
3.水虫ではない場合、分厚くなった角質を治療する
次に、水虫ではないが、足が臭い場合、考えられることは、角質が分厚くなっていたり、角質がひび割れていることです。分厚くなった角質や角質がひび割れていると、菌のエサとなり、臭いを発生しやすくなってしまいます。
足の裏が常に外部からの物理的な刺激にさらされているため、他の部位に比べて、体重を支えて歩く足には多くの”外部刺激”が加わります。立ったり歩いたりすることで起こる、床や靴下、靴との摩擦から足を守るために、足の裏の角質はどんどん厚くなり、硬くなっていくのです。
ただ、分厚くなりすぎた角質は、分厚くなり過ぎてひび割れが起こり痛みを伴う場合もあります。分厚い角質で痛みをともなったり、カサカサ・ガチガチ状態が改善されないときには、皮膚科でご相談してください。
治療は、症状に合わせた塗り薬のほか、末梢神経(まっしょうしんけい)の冷えを防ぐため、血行を促進する内服薬が処方される場合もあるようです。自己判断や自己治療はせずに、まずは医師への相談をおすすめします。
4.多汗症の場合は皮膚科に相談する
次に考えられることは、多汗症の場合です。本来、汗をかくのは体温調節を行っているためで、体温が上がると汗が出て、汗の気化熱で体温を下げていきます。
しかし、多汗症の場合、体温調節が必要のないときでも汗をかいてしまう、もしくは、体温が上がったときに必要以上の汗を大量にかいてしまう、そして、何もしていないのに特定の部位からたくさんの汗が出てしまう、などという症状がみられることです。
その中でも、足の裏だけが過剰に汗をかいてしまう多汗症を足蹠(そくしょ)多汗症といいます。多汗症と足が臭くなる関係があるとすれば、多汗症の場合、人よりたくさん汗をかくことで、人より靴の中は高温多湿となり菌にとって、より好む環境になりやすくなります。
その結果、菌が活発に繁殖してたくさんの臭いを発することになり、足が臭くなるのです。また、多汗症は、精神的な影響も大きいといわれています。
偶然、足の臭いが気になったり、汗をかいて足の臭いを意識しすぎた結果、「汗をかかないようにしよう」と思えば思うほど、かえってたくさんの汗をかいてしまい、気にするほど足が臭くなりやすい環境になる悪循環になります。
○多汗症の主な症状(本皮膚科学会の局所多汗症の診断基準)
・両手のひら、両足の裏、両脇の下など、左右対称にどちらも同様に汗をかく
・一週間に1回以上、多汗の症状が出るエピソードがある
(書類を持ったらインクがにじんだ、握手をためらった、など)
・日常生活・社会生活に支障をきたしている
(服の汗じみが気になり好きな服が着られない、制汗剤が手放せない、など)
・最初に症状がでるのが 25 歳以下である
・家族(親兄弟)に多汗症の人がいる
・睡眠中は発汗が止まっている
上記の6項目うち2項目以上があてはまり、異常なほどたくさんの汗をかく期間が6ヶ月以上であれば多汗症の可能性が高くなります。
多汗症が疑われる場合には、まずは皮膚科へご相談ください。
足が臭くなる病気で考えられることは、糖尿病や内臓疾患によるものです。糖尿病や内臓疾患になると、体の免疫力が低下し体が本来持っている抗菌力が弱まった状態になるので、感染症にかかりやすくなることがあります。そのため、足の臭いの原因となる菌が足に繁殖しやすくなるため、結果として足が臭くなることがあるのです。糖尿病は、初期のうちは自覚症状がないため、わかりにくこともありますが、病状が進行すると下記にあげたような症状が出てくることがあります。
○糖尿病にみられる症状
・体がだるい、疲れやすい
・のどが渇き、尿の量が多い
・何もしていないのに、体重が減る
・眼がかすむ
・足がしびれる、つりやすい
・傷が治りにくい
糖尿病など考えられる場合、自己判断をせずまずは内科へご相談ください。ただ、内臓疾患や糖尿病の場合は、足の臭いだけでなく、口臭や体臭も同時に発生することが多いと言われていますので、足だけが臭うなら水虫や多汗症の疑いがあるかもしれません。足の臭いが気になるのなら、まずは発汗異常外来のある皮膚科にご相談してください。
5.治療に頼らず、試してほしい足が臭い人へお伝えしたい解消法
5-1.素足を丁寧に正しく洗う5ステップ
足が臭いとき、足が臭くならない為に、重要なことは「正しく洗うこと」です。毎日洗っていても、洗い残しがあったり、キレイに角質のケアを行なっていなかったり、足を洗うことを簡単に済ませてしまうことが足の臭いを解消できない理由です。
とくに足のニオイが強いと感じたときは、帰宅後すぐにシャワーで流しておくと、ひとまず臭いを取り除くことができます。その後、時間をかけて入浴時にしっかり丁寧に足を洗い、一日の足の汚れと臭いを洗い流してください。
ただ、水虫の疑いがある場合は、まずは正しく足の状態を診断してもらい、水虫であるならば治療を始めることが最も大切になります。繰り返しになりますが、自己判断はせずまずは皮膚科へご相談ください。
それでは、正しい洗い方について簡単に解説していきますので、確認していきましょう。
ステップ1:足のケアを行う前の下準備として10分の足浴を行う
まず始めに行うことは、足をお湯に10分間つけて足をふやかせた状態にします。これは、汚れを浮き上がらせ、洗う時に汚れも落ちやすくなるからです。
ステップ2:足の爪の垢を取る
足の爪に垢が入り込んでいる場合、この垢が臭いを発生させるためのエサになってしまうので、きれいに取り除くようにしてください。爪ブラシや歯ブラシを使ってブラッシングするとよいでしょう。それでも取りきれない場合は、爪垢取りの捧で取り除くときれいに取れます。
ステップ3:足裏の角質を除去する
足の裏の角質が暑くなっている場合、ヤスリなどで角質をキレイに取り除くことで、菌が入り込むことを防ぐことができます。角質を取る際、必ず足の水分を拭き取った状態で、かかとをヤスリや軽石を使って角質を削り落とします。
ステップ4:足全体を丁寧に洗う
足全体、足の指の間を洗うときは、たくさんの泡で足全体を隅々まで丁寧に洗ってください。石鹸で泡を作るときは、泡立てネットなどを利用すると、よく泡立てることができます。とくに、足の指と指の間は汚れが溜まりやすくなる場所なので、洗い忘れがないようしっかり洗ってください。洗い終わった後は、タオルでよく水分を取って足を乾かしてください。
ステップ5:足裏の乾燥と角質が硬くならないために保湿する
仕上げは、角質表面を除去した後、指先からかかとまで保湿クリームをたっぷりと塗り込んで保湿をすることで、角質が硬くなりにくくなります。
具体的な洗い方については「洗っても足が臭いのはなぜ?その原因「イソ吉草酸」の正体と解消法」で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
5-2.靴下に臭いを蓄積させないために履き替える
もっとも足の臭いが溜まりやすい靴下が臭くならないためには、1日に3回履き替えることにより、足の臭いを激減することが可能となります。汗や臭い、菌が蓄積された靴下を新しい靴下に履き替えることにより、短い時間でも足の湿度を下げて菌の繁殖を抑え、臭いが発生しない環境をつくることができるからです。
5-3.毎日同じ靴を履かない
1日履いた靴は2日ほど休ませてあげることで、汗を乾燥させ付着した臭いを放出させることができます。革靴などは紫外線にあたると傷んでしまうので、風通しが良い場所で、日陰干しすることが最適です。
5-4.靴の中にインソールを敷いて毎日交換する
靴に中敷きを敷くことで、足にかいた汗を吸収してくれます。1日履いた靴の中敷は、毎回取り出し日干ししてあげることで、臭いを放出させることができます。中敷も靴と同様に日々ローテーションすることで、臭いの蓄積を抑えることができます。職場などで毎日同じ靴を履く必要があるときは、中敷をこまめに交換するだけでも臭いを軽減できます。
6.まとめ
足が臭くならない為には、素足、靴下、靴を清潔に保つことが最も重要となります。いつも清潔に保つことを心がけていれば足の臭いへの心配事はなくなるはずです。
本当は臭いのに本人は全く気にしていない人、ぜんぜん臭くないのに足が臭いと悩んでいる人、感じ方は人それぞれ違うんだなと思う場面もよくあります。
毎日、足を清潔に保つことを心がけているのであれば、足の臭いへの意識をちょっと変えてみてもよいのではないでしょうか。そう、別の楽しいことへ意識を集中してみるのもひとつです。だから気にし過ぎなくて大丈夫ですよ。
足が臭い病気に関してもう少し知りたい方は「足が臭い病気は?足の症状別チェック方法とその効果的な対策」で具体的に解説しています。ご興味のある方はぜひ参考にしてみてください。