衣類に付いた加齢臭を落とす洗剤の選び方と効果的な洗濯方法
一般に販売されている洗濯用の洗剤の中で、衣類に付いた加齢臭を落とすには、どの洗剤を選べばよいのか解らず迷ってしまいますよね?通販サイトなどで、評価の高いものや口コミを見ながらお探しの方も多くいらっしゃると思います。
しかし、衣類に付いた加齢臭を落とすには、実は単に評価の高い洗剤を使えばよいわけではなく、加齢臭の原因を落とすことのできる洗剤を適切に選ぶ知識を持ち、更に臭いを落とす効果的な洗濯方法を行うことが重要なのです。
ただ評価の高い洗剤を使っても、効果的な洗濯方法を同時に行わなければ臭いを落とす結果は半減してしまうのです。
ここでは、加齢臭を落とすための適切な洗剤の選び方と、効果的な洗濯方法の両面をご紹介いたします。これらを実践することで、衣類に付いた加齢臭は落とすことができますので是非ご覧ください。
Contents
1.加齢臭を落とすための適切な洗剤の選び方と効果的な洗濯方法
はじめに、加齢臭を落とす洗剤をご紹介する前に、加齢臭が発生する原因と仕組み・衣類に付いた加齢臭を落とすための重要な点をまず知っておきましょう。
加齢臭は、皮脂が酸化して発生するノネナールという中高年特有の臭い物質が原因です。
衣類に付いた加齢臭を落とすには、この加齢臭の原因であるノネナール(酸化した皮脂)を落とすことのできる洗剤を選ぶことと、皮脂を落とすための効果的な洗濯方法を実践することが重要なのです。
加齢臭とは何かについては「加齢臭とは?発生のメカニズムと臭いを抑えるための予防と対策」にて詳しく解説しておりますので、こちらをご覧ください。
では、この加齢臭が付いた衣類はどのような洗剤を選び、どのような洗濯方法を行えばよいのかをご紹介して参りましょう。
1-1.加齢臭の原因である「皮脂汚れ」を落とす洗剤を選ぶ
まず一番に重要なのは、洗剤の選び方です。一般に販売されている洗濯用洗剤は一見どれも同じように見えますが、成分や製品の特徴によって、落とす汚れの種類が少しずつ違うため、加齢臭を落とす効果のある洗剤を見極めて選ぶことが必要です。
加齢臭の洗濯に使う洗剤は「皮脂汚れ」を落とすことのできる「弱アルカリ性の酵素入り液体洗剤」を選ぶことです。
ポイント1.弱アルカリ性を選ぶ
加齢臭は皮脂が酸化して臭いを発生しているため、この酸化(酸性)を中和する「弱アルカリ性」の洗剤を使用することで汚れや臭いを落とすことができます。市販されている一般的な洗濯用洗剤は、ほぼ中性か弱アルカリ性のどちらかなので、洗剤の裏面にある成分表示を確認して弱アルカリ性のものを選びましょう。
ポイント2.液体洗剤を選ぶ
2つめのポイントは「液体洗剤」を選ぶことです。液体洗剤は水に溶けやすいので、繊維の奥の汚れまで浸透することが可能です。そのため、繊維の表面に付いた泥汚れなどとは違い、繊維の奥に絡み付いた皮脂を落とすのに向いているといえます。
また、襟など特に臭いや汚れの気になる部分に、直接付けて洗うといった液体ならではの使い方ができるのもおすすめのポイントです。
- 粉末洗剤は液体洗剤に比べて、泥汚れなどの洗濯に向いているといわれていますが、粉末洗剤にも皮脂の汚れを落とす成分が配合されている商品も多くなってきているようです。粉末洗剤を使用する場合は、洗剤の粉が溶け残らないようにするため、あらかじめ別容器(洗面器など)に水またはぬるま湯で溶かしてから使うようにしてください。粉末洗剤は、液体洗剤に比べて価格が安いといったよい点もあるため、溶かす手間などが苦にならない方は、お試しいただく価値はあると思います。
ポイント3.酵素入りを選ぶ
更に、洗剤の裏面にある成分表示に「酵素」と記載されているものを選ぶとよいでしょう。洗剤に配合されている酵素は、洗剤の汚れを落とす主成分である界面活性剤だけでは落としきれない、他の汚れを落とす補助的な役割があります。
皮脂や油脂を分解するリパーゼという酵素が配合されているものが、加齢臭の原因である皮脂を落とすのに効果的です。
しかし、成分表示には「酵素」としか表示されておらず、どの種類の酵素が配合されているのかがわかりません。ですので、洗剤に書かれている他の特徴や謳い文句に、「皮脂を落とす」「油脂を分解」などと書かれているものを参考にして選ぶとよいでしょう。
それでは、皮脂を落とすことのできる条件を満たし、気軽に購入できて安心して使える大手メーカーのおすすめ洗剤をご紹介しましょう。
<加齢臭におすすめの洗剤 4選>
花王株式会社 アタック 高浸透バイオジェル
http://www.kao.com/jp/attack/atk_biogel_00.html
【Amazon価格】
¥388
【特徴・効果】
きちんと落とせていないとニオイの原因となる皮脂汚れ(ニオイの記憶)を除去。
センイの奥の汚れまですばやく届く高浸透洗浄成分を配合。
●界面活性剤/34%
●高浸透洗浄成分、天然ユーカリ成分配合
●液性/弱アルカリ性
●酵素配合
ライオン株式会社 液体部屋干しトップ
http://www.lion.co.jp/ja/products/291
【Amazon価格】
¥323
【特徴・効果】
部屋干し時の生乾きのニオイを防ぐ液体タイプの洗剤。
酵素の働きで、皮脂・タンパク汚れをしっかり落とし、抗菌成分が菌の繁殖を抑えるので部屋干し時の生乾きのニオイを抑えます。
けい光剤無配合なので「きなり」や「淡色衣料」もOKです。
●原材料・成分
界面活性剤(43% ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、安定化剤、抗菌剤、酵素
花王株式会社 アタック 消臭ストロング
http://www.kao.com/jp/attack/atk_deodorant_00.html
【Amazon価格】
¥404
【特徴・効果】
尿臭ブロッカー・高浸透洗浄成分配合で、センイの奥まで浸透して、体臭・尿臭を除去。
黄ばみ防止成分の働きで黄ばみも防ぎます。
汚れ・汗から体臭、尿臭まで落として清潔、安心です。
99%除菌*。漂白剤・柔軟剤入り。色柄物にも安心して使えます。
ドラム式洗たく機にもおすすめです。
●蛍光剤配合
●すすぎは2回をおすすめします
●さわやかなハーブの香り
*全ての菌を除菌するわけではありません
ライオン株式会社 消臭 ブルーダイヤ
http://www.lion.co.jp/ja/products/299
【Amazon価格】
¥277
【特徴・効果】
ニオイの元となる、からだから出る「タンパク汚れ」を酵素が分解し、漂白成分が衣類に染み付いたニオイもシミもしっかり分解除去して、衣類をすっきりと洗い上げる。
タンパク質分解酵素が汚れを分解してニオイの元となる汚れをしっかり除去し、漂白成分が衣類に付着したニオイに直接作用してすっきり消臭します。
フラボノイド成分を配合。
加齢臭消臭成分配合。
酸素系漂白剤配合なので色柄物も安心して洗える。
重曹パワーで、まとめ洗いや冷たい水でもよく溶ける“スプラッシュパウダー”。
洗濯中に洗剤が衣類のすき間に入ってもダマにならず、冷たい水にもよく溶けて、洗浄効果をすばやく発揮します。
蛍光剤無配合。
●原材料・成分
界面活性剤(15% アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム、純石けん分(脂肪酸ナトリウム)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、水軟化剤(アルミノけい酸塩)、アルカリ剤(重炭酸塩、炭酸塩)、工程剤(硫酸塩)、漂白剤、酵素、液性/弱アルカリ性
1-2.加齢臭の臭いには洗濯前に漂白剤でつけ置きする
更に衣類に付いた加齢臭を落とすために効果的なのが、洗濯の前には漂白剤を使ってつけ置きをしておくことです。
漂白剤には主に塩素系と酸素系の2種類がありますが、塩素系は使用できない素材や衣類が色落ちする場合があるため、洗う衣類によって使い分けることが必要です。日常の洗濯の場合は、色柄物の衣類に使える酸素系の漂白剤が安心して使えるでしょう。
バケツなどにぬるま湯を入れて洗濯用洗剤と酸素系漂白剤を溶かし、そこに加齢臭の気になる衣類を30分~1時間程度浸します。衣類を傷めないようにするため、2時間以上は浸さないようにしましょう。
また、Yシャツの襟など特に臭いの気になる部分には直接漂白剤を塗布し、軽くもみ洗いした後に浸しておくとより効果的です。この工程をするだけで、普通に洗濯するよりはるかに加齢臭を軽減することができます。
より詳しい加齢臭の洗濯方法についてはこちら、「1回の洗濯で衣類に付いた加齢臭=皮脂汚れを落とす効果的な洗濯方法」の記事をご覧ください。
<加齢臭におすすめの漂白剤 2選>
花王株式会社 ワイドハイター EXパワー
http://www.kao.com/jp/widehaiter/whi_wideex_00.html
【Amazon価格】
¥430
【特徴・効果】
洗剤だけでは落ちないニオイまですっきり落とす。
色柄ものもお使いいただける酸素系漂白剤(濃縮タイプ)。
繊維の奥にすばやく浸透。
しみこんだ汗・皮脂や菌まで強力分解。
ツンとしないさわやかな花の香り。
ひとつ上の消臭・漂白効果。
ライオン株式会社 ブライトW(ダブル)
http://www.lion.co.jp/ja/products/283
【Amazon価格】
¥194
【特徴・効果】
付いた汚れをしっかり落す+次の汚れを落ちやすくする「クリア漂白」で、日々の汚れを残さずクリアに洗い上げるので、汗や皮脂汚れが「シミ・黄ばみ・黒ずみ」になるのを防ぎ、衣類の白さが長続き。
除菌・消臭効果はもちろん抗菌・防臭効果も高いのでニオイ残りも防ぐ。
色柄物に安心な酸素系漂白剤。新洗浄基材配合で洗浄力・漂白力・消臭力を強化。
クリスタルカット調の新形状ボトル+クリスタルシルバーを基調とした新デザイン。
●原材料・成分
過酸化水素(酸素系)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
- 洗濯機で衣類を洗う際に使う水温は、35~40℃が最も効果的だといわれています。皮脂汚れは、人間の体温と同じくらいの温度のお湯で洗うと汚れが落ちやすく、洗剤の効果も高くなるのです。冷たい水では、皮脂などの脂分は落ちにくく、洗剤の効果もうまく発揮できません。
- そこで、現在ご家庭でお使いの洗濯機に、お風呂の残り湯を汲み上げられる(ポンプ)機能がある場合には、この機能を使ってお風呂の残り湯を使って洗濯することをおすすめします。洗濯する際に温度が適切なのはもちろん、節水にもつながります。ただし、残り湯に含まれている汚れや菌が洗濯物についてしまうのを防ぐため、最後のすすぎは必ず水道水を使うようにしてください。
2.衣類に加齢臭を付けないためにやっておきたい予防方法
最後に、衣類に加齢臭を付けないためにやっておきたい予防方法を2つご紹介します。これらを予め行うことによって加齢臭の発生を少しでも抑え、衣類に加齢臭が付いてしまうのを防ぐことで洗濯での労力を減らすことができます。
2-1.皮脂の分泌の多い部位を丁寧に洗う
加齢臭の発生を予防するには、皮膚上の余分な皮脂や臭いの元となる汗を洗い流すことが基本となります。特に、ノネナールの発生を抑えるには、皮脂の分泌の多い部位を丁寧に洗うことが大切です。
皮脂の分泌の多い部位とは、①頭皮②額から鼻にかけてのTゾーン③耳の後ろから首にかけて④胸⑤脇⑥背中⑦へその周辺⑧陰部などです。
しかし、洗い過ぎによって過剰に皮脂を取り過ぎては逆効果になってしまいます。皮脂は肌の保湿を適切なレベルに維持する役割を持ち、肌を守る為に必要なものなので、洗い過ぎてしまうと体が肌の乾燥を防ぐために皮脂を過剰に分泌するようになってしまいます。
皮脂を過剰に取り過ぎないようにするには、ナイロンブラシなどで体をゴシゴシ洗うのではなく、石鹸を泡立てネットなどを使いよく泡立て、素手でやさしく丁寧に洗うことを心掛けましょう。
また、朝、シャワーを浴びると臭いを効果的に軽減できます。就寝中は汗を多くかき、皮脂も多く分泌されています。これには寝起きにシャワーを浴び、汗や皮脂を落とすことで臭いを抑えることができるため非常におすすめの方法です。
2-2.臭いの原因となる汗はこまめに拭き取る
汗をかいたまま放置してしまうと、皮膚の表面や汗などを餌に雑菌が繁殖して体臭が発生し、その臭いと加齢臭が混ざり合って更に臭いを強くしてしまう原因になります。そのため、汗をかいた場合はその都度こまめに拭き取ることが大切です。
汗を拭く場合には、乾いたハンカチよりも濡れタオルかデオドラントシートを使うことをおすすめします。濡れタオルやデオドラントシートを使用することで、乾いたハンカチで拭いただけでは取り切れない皮膚に残った汗の成分や余分な皮脂を拭き取り、臭いの発生原因を抑えると共に、出てしまった加齢臭を軽減することもできます。
3.まとめ
加齢臭の原因である皮脂汚れを落とすことのできる洗剤を選び、効果的な洗濯方法を行うことによって、衣類に付いた加齢臭が落とせることをご理解いただけましたでしょうか?
ご紹介した選び方をすることによって、様々な洗濯用洗剤の中から加齢臭を落とす洗剤が正しく見つけられるようになります。
また、最後にご紹介した衣類に加齢臭を付けないためにやっておきたい予防方法も、日頃から意識して行うことによって、洗濯での手間や負担を減らせるため、是非お試しいただきたい方法です。毎日のお洗濯にどうぞお役立てください。