加齢臭はサプリを飲んでも消せない!予防に重要な2つのアクション
40歳を過ぎた頃から気になりだした加齢臭。この加齢臭にサプリを飲んで簡単に対策したいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
通販やインターネットでは様々な加齢臭向けのサプリが販売されていますが、これらは本当に効果があるのでしょうか?本当に効果のある商品ならば、既に話題になり爆発的に売れているはずです。
このことから、現在一般的に販売されている加齢臭向けのサプリは、実は加齢臭が消える、または効果があるといった絶対的な証明や根拠があるものはないのです。むしろ、含まれている成分の過剰な摂取で体へのリスクなどが懸念されるのです。
ここでは、加齢臭向けのサプリに関する正しい情報と、加齢臭を抑えるために必要な予防方法とは何かをご紹介していきます。高価なサプリを購入する前に、是非一度お読みいただきたいと思います。
Contents
1.サプリを飲んでも加齢臭を消せない3つの理由
はじめに、サプリを飲んでも加齢臭を消せない3つの理由をご説明しましょう。
1-1.サプリに実質的な効果があることは証明されていない
加齢臭は皮脂の酸化によるものです。一般的に、この「酸化を防ぐ」=「加齢臭を抑える」には、抗酸化作用のある食品を積極的に摂取することが望ましいと言われています。
抗酸化作用のある食品とは、ビタミンCやEを多く含んだ野菜や果物、赤ワインなどに含まれるポリフェノール、にんじんなどに含まれるベータカロチン、緑茶に含まれるポリフェノールなどが挙げられます。
これらを積極的に摂取するということは、健康的な食生活にするといった面からも進んで実践すべき方法の1つでしょう。
現在、加齢臭に効果があるとされ販売されているサプリの多くは、これらの抗酸化によいといったエキスや成分が配合されており、飲むだけであたかも効果があるように謳っています。
しかし、厚生労働省「統合医療に係る情報発信等推進事業」というサイトの情報によると、多くの患者を対象にして行われた臨床試験では、高用量の抗酸化サプリメントによる病気の予防効果はなく、実質的健康効果は証明されていないとされているのです。
食事から摂取する抗酸化物質は、安全性に問題はないのに対して、サプリでの高用量の抗酸化物質を摂取すると、場合によっては有害である・一部の病気が悪化するリスクが高まるなどの可能性があるとの内容も記されています。
このように、サプリを飲むだけで加齢臭に実質的な効果があることは現在証明されていないのです。
1-2.体から香りのするサプリは加齢臭を香りでごまかそうとしているだけ
次に、飲むとバラの香りがするなど体の中から良い匂いを発することで加齢臭対策になるサプリとして販売されている商品がありますが、体験談や口コミを見ても個人差があるとはいえ、中には体内から香りがすると実感できる方もいるため、匂いを発する効果はあるようです。
ですが、これも香りがするだけで加齢臭を消臭できる効果の証明はされていません。別の香りで加齢臭をごまかそうとしているだけなのです。
更に、飲んだサプリによって体から出た香りと発生している加齢臭が混ざり、かえって不快な臭いになる可能性があるため、おすすめできません。
1-3.配合されているエキスや成分は販売側の戦略的なものである
更に、サプリに配合されている〇〇エキスなどの成分が加齢臭に効果があるとされているものの多くも、その効果を具体的・数値的に表示して証明・公開しているものはありません。
中には、エキスの含有量は表示されているものもありますが、実際にそのエキスが加齢臭に対してどのように作用し、具体的にどのくらい効果があるといった内容は表記されていません。
これは、商品を販売している側の戦略的なもの(イメージやマーケティング)によって配合されているだけのものがほとんどだからなのです。
使用者の体験談や自社のアンケートなどで効果があるように見える場合もありますが、これらは一個人の意見や感覚であり、公的機関や試験で調査したものではないため、信憑性に疑問があります。
2.加齢臭発生のメカニズム
サプリを飲むだけでは加齢臭を消す効果が証明されていないことをご理解いただけたでしょうか。では次に、加齢臭の発生する原因とメカニズムを正しく理解しておきましょう。これは、後程ご紹介する加齢臭の予防方法を行う際に必要な情報となるからです。
2-1.加齢臭の原因物質「ノネナール」
加齢臭は中高年に特有の臭いなのはご承知の通りですが、この中高年の臭いを1999年に資生堂が「加齢臭」と名付け、これが一般的に広く呼ばれるようになった始まりです。資生堂は、年齢を重ねると発生する「ノネナール」という原因物質を発見し、同時にこの臭いを加齢臭と命名したのです。
ノネナールは、脂肪酸・過酸化脂質・皮脂が酸化した際に発生する臭いで、「ろうそく」「古本」「青臭いチーズ」のような臭いがすると言われています。
2-2.加齢臭が発生するメカニズム
次に、ノネナールが原因による加齢臭の発生のメカニズムと、加齢臭が更に強くなってしまう要因を解説しましょう。
人間の皮膚は、皮脂腺から皮脂を分泌し皮膚の潤いを保っています。年齢を重ねると皮脂腺の中にあるパルミトレイン酸という脂肪酸が増加してきます。これと同時に過酸化脂質という物質も増加します。
このパルミトレイン酸と過酸化脂質が皮脂と結合して分解・酸化すると、ノネナールという物質が発生するのです。40歳前後から、パルミトレイン酸や過酸化脂質の量が増えてくるため、この年齢を過ぎた頃からノネナールの発生と共に加齢臭が増加してくると考えられています。
加齢臭と一言でいっても、単にノネナール単体だけの臭いだけではありません。発生している臭いの種類や強さは人それぞれ違いますし、相手が受ける臭いの感じ方も様々です。
これは、加齢臭が他の臭いと混ざって強い臭いを発する「複合臭」だということなのです。
他の臭いの原因とは、まず第一に体臭が挙げられます。体臭は、皮膚の表面にいる常在菌が汗などを餌に繁殖する時に老廃物として発生する臭いです。この体臭とノネナールが混ざり合い、より強い加齢臭となってしまうのです。
更に、タバコや整髪料などの臭いと混ざると加齢臭が強くなります。喫煙者であれば、タバコの臭いと混ざり不快な臭いになりますし、男性化粧品特有の香料が入った整髪料などを使っている場合、その香料と混ざって更に不快な臭いとなってしまいます。
3.加齢臭の予防に重要な2つのアクション
では、加齢臭を予防するにはどのような方法が本当に効果的なのでしょうか。ポイントは「体を清潔に保つ」ということです。その重要な2つの具体的な方法をご紹介いたします。
3-1.皮脂の分泌の多い部位を丁寧に洗う
加齢臭の発生を予防するには、皮膚上の余分な皮脂や臭いの元となる汗を洗い流すことが基本で効果の高い方法です。特に、ノネナールの発生を抑えるには、皮脂の分泌の多い部位を丁寧に洗うことが大切です。
皮脂の分泌の多い部位、
- ①頭皮
- ②額から鼻にかけてのTゾーン
- ③耳の後ろから首にかけて
- ④胸
- ⑤脇
- ⑥背中
- ⑦へその周辺
- ⑧陰部
などです。
しかし、過剰に皮脂を取り過ぎても逆効果になります。皮脂は肌の保湿を適切なレベルに維持する役割を持ち、肌を守る為に必要なものなので、洗い過ぎてしまうと体が肌の乾燥を防ぐために皮脂を過剰に分泌するようになってしまいます。
皮脂を過剰に取り過ぎないようにするには、ナイロンブラシなどで体をゴシゴシ洗うのではなく、石鹸を泡立てネットなどを使いよく泡立て、素手でやさしく丁寧に洗うことを心掛けましょう。
また、朝、シャワーを浴びると臭いを効果的に軽減できます。就寝中は汗を多くかき、皮脂も多く分泌されるため、寝起きにシャワーを浴び、汗や皮脂を落とすことで、臭いの発生を抑えることができるため非常におすすめの方法です。
3-2.汗はこまめに拭き取り清潔にする
汗をかいたまま放置してしまうと、皮膚の表面や汗などを餌に雑菌が繁殖して体臭が発生し、その臭いと加齢臭が混ざり合って更に臭いを強くしてしまう原因になります。
加齢臭の発生を防ぐためにも、衣類などで汗が吸い込まれたりすることのない部位、特に額や鼻など顔全体や耳の後ろから首にかけての部位から出た汗はこまめに拭き取ることが大切です。
汗を拭く場合には、乾いたハンカチよりも濡れタオルかデオドラントシートを使うことをおすすめします。濡れタオルやデオドラントシートを使用することで、乾いたハンカチで拭いただけでは取り切れない皮膚に残った汗の成分や余分な皮脂を拭き取り、臭いの発生原因を抑えると共に、出てしまった加齢臭を軽減することもできます。
4.まとめ
効果が実証されていないサプリを飲むよりも、加齢臭の発生する原因に対して対処することが、臭いを抑えるための効果的な方法です。
野菜や果物を積極的に摂取し健康的な食生活を心掛ければ、本来の自然な抗酸化作用が期待できますし、今回ご紹介した体を清潔に保つ方法を日頃から心掛けて実践していただければ、加齢臭は軽減することができるのです。
体内に摂取するものであるからこそ、できるだけリスクのあるものは避けたいものです。知識のない上で安易にサプリを飲んで加齢臭を抑えようと思う前に、是非ご紹介した安心な方法で加齢臭予防していただきたいと思います。